第5話 天国と地獄

転棟して気づいたことは身体への違和感。

父と母が触れてくれた感覚が疎いのだ。

両親の声かけも耳に入らない。手に汗はあるのだろうか。空返事が続く。


『たける‼︎』


病室の入り口にマナが立っていた。


ああ‥無事だったのか。


ベッドに駆け寄ってきた彼女の身体を抱きしめたいが右手が回らない。


これは‥。


必死で左で抱きしめる。


タバコのことなんて煙のごとく、消え去っていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る