第4話 追憶3

目が覚めたとき、あの喉の痛みは取れていたが自由に動けないくらい管がついていた。


点滴に尿管に経鼻経管に心電図モニターに‥。


どれだけダメージか大きかったのか、聞くまでもなかった。


タバコが恋しい。この状況でそんな風に思えることに、すこし笑えた。


事故から3日経ったのか。

身体から付属物が減り、僕は一般病棟へと転棟することになった。


『佐藤さん、次は脳外科になります。』


可愛らしい看護師は僕にそう伝えた。


脳外科?

疑問に思ったが、脳にダメージでもあるのか。

先生に聞こう。この時は簡単に思った。

それよりもタバコが吸える可能性が見えて来たことに歓喜した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る