第6話 別れつつある身体とくっつきつつある心

『たけるさんの身体にいま、起きていることは右半身麻痺という症状です。事故の時の頭へのダメージが左脳を直撃し、右半身への指令を出す神経がやられたのだと思います。これからリハビリによって、何処まで回復するかは分かりません。』


淡々と話すことか。これが。

医者の無機質さが僕の感情を逆撫でているのか、現状の悪さが焦りを増長させているのか。


どうしよう。どうしたらいいのか、なにが最善なのか。


ベットから降りることすら出来ないぼくがこれからリハビリ?


一人、病床で考えだけが佇んだ。


『調子はどう?』


スーツ姿のまなが入って来た。


いつの間にか、夕暮れになっていた。


マナに今日の話をした。

右半身がダメなこと、これからリハビリが始まること‥。


『そっか‥。でも、これから一緒に頑張ろう?私もいろいろ勉強してみるし、調べてみるからさ。』


涙が出た。

ああ、ほんとうに僕で良かった。

マナが無事で良かった。


ごめん。

僕だったら、この状況のきみを支えてあげることなんて出来ない。


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