第6話 別れつつある身体とくっつきつつある心
『たけるさんの身体にいま、起きていることは右半身麻痺という症状です。事故の時の頭へのダメージが左脳を直撃し、右半身への指令を出す神経がやられたのだと思います。これからリハビリによって、何処まで回復するかは分かりません。』
淡々と話すことか。これが。
医者の無機質さが僕の感情を逆撫でているのか、現状の悪さが焦りを増長させているのか。
どうしよう。どうしたらいいのか、なにが最善なのか。
ベットから降りることすら出来ないぼくがこれからリハビリ?
一人、病床で考えだけが佇んだ。
『調子はどう?』
スーツ姿のまなが入って来た。
いつの間にか、夕暮れになっていた。
マナに今日の話をした。
右半身がダメなこと、これからリハビリが始まること‥。
『そっか‥。でも、これから一緒に頑張ろう?私もいろいろ勉強してみるし、調べてみるからさ。』
涙が出た。
ああ、ほんとうに僕で良かった。
マナが無事で良かった。
ごめん。
僕だったら、この状況のきみを支えてあげることなんて出来ない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます