桐子side

第27話 マインドコントロール

「香織……見ていたの!」


 そこで目が覚めた私は、ぐっしょりと寝汗をかいていた。

 だけど、今日は傍にケイさんがいてくれた。


「ごめんなさい……眠ってた……」


『大丈夫だよ』


 そう言って微笑むケイさんに、私は少し、救われた。






 そして、これが私の一生において最後の、内なる心の動きとなった。


 なぜなら私は、この後すぐに、すべてのことを忘れることになったからだ。





 女王は帰宅してすぐに、私に暗示をかけてくれた。


 心が軽くなり、身体が軽くなる。





 彼女の命ずるままに操られる人形として、私はこれから動くことになる。




 これで良いのだ。


 どうせ私は、一生、彼女に逆らうことはできないのだから……






 【桐子side the end】

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