桐子side
第17話 当然の成り行き
「えっと、なんて言うか……マジですか?」
私は信じられなかった。いや、信じたくはなかった。
『まあ、まだ起きていないので、完全に私の妄想ですが、これに近い状態は発生するかと思っています』
『ちなみに元ネタは深く考えないでください』
カケルさんが補足した。
「それで、そのあとはどうなるの~?」
香織が訊ねる。
『その後は、我々ウミウシ属やイソギンチャク属と女性たちの生活がはじまります。それ以外は得に何も変わりません』
「あ~そうなんだ~、良かった~」
ケイさんの説明に香織がホッと胸をなでおろした。
その時、私の脳に情報が流れてきた。
その情報に従い、テレビをつけると、あるニュースが流れていた。
「36歳 主婦。夫から刃物で刺され、死亡」
『始まった……』
ケイさんが言った。
「これって……これを機に全女性が男性に襲い掛かるってことよね?」
『いきなり、というわけではありません。ただ、ここ数日で結果が出るでしょうね』
見ると香織も情報を感知しているようで、リアルタイムで流れる女性軍の動きに聞き入っている。
「だけど、お父さんいなくなっちゃったら……私、どうやって生活していけば……」
「大丈夫よおねえちゃん。ちゃんと女性向けコンテンツの開発にも手を付けているから。来週のリリースには間にあうと思う~」
香織が私の意を汲み、力強く励ましてくれた。
「ありがとう。できれば私のおこづかい、増額してもらえるとうれしいな。香織と同じ、とまではいかなくても、波夫と同額くらいには……」
「いいわよ~。その代わり、おねえちゃんにお願いがあるの~」
「なに? 何でも言って!」
「じゃあ、ケイさんを置いて、私の部屋に来てくれる~?」
その時、私の背筋に冷たいものが走った。
「二人とも、そこに座って~」
私とカケルさんは、ベッドに腰かけた香織に言われるままに、床に正座した。
カケルさんはかなり汗ばんでいる。
「私が二人に言いたいこと、わかるわよね~?」
香織が半ばニヤついた目で、私たちを交互に眺める。
香織は気づいていたのだ。私とカケルさんのあの夜の情事のことを……
「は、はい……」
私は威圧的な香織に気圧されるように声に出した。
「まあ、カケルさんを私に紹介してくれたのはおねえちゃんだし、カケルさんだって、悪気はなかったんだと思うのよね~」
そう言う香織の目は、怒っているようには……見えた……
「……ごめんなさい」
私は土下座した。横でカケルさんも土下座していた。
「どうしてもらおっかな~♪」
そうだった。香織は根っからのSだった。
私はこれから香織に何を言われ、どんな地獄の展開が待っているのかガクブルだった。
「とりあえず、今日のところは、二人に私の足の指を舐めてもらうことで許しちゃおっかな~」
土下座する私の目の前に、ストッキングを脱いだ香織の足先が置かれた。
『ありがとうございます!』
カケルさんが押し戴くように香織の足を掲げる。
そして
レロ
長い舌で香織の足先を舐めまわした。
私もカケルさんに倣い、女王の足を押し戴くと、指のつま先を口にくわえる。
涙が出てきた。
妹の足先を舐めるなんて……
この臭い
うわぁ……
そして
この、味
くせになりそうだ……
「なぜ私がこんなことをさせるかわかる~?」
女王様の声が私たちに投げかけられる
「あなたたちが犯した罪を、忘れさせないためよ~」
その一言で
私は
堕ちた
香織の責めはまだまだ終わらなかった。
そして、香織に何を言われても、私は従っていた。
気がついた時には、私も香織も生まれたままの姿になり、ベッドの上でカケルさんを通じ、一つになっていた。
香織のビデオが回っていることに、途中から気がついていたが、そんなことはどうでも良かった。
「香織さま、今晩のお夕食は、いかがなさいますか?」
「そうね~しゃぶしゃぶにステーキに焼き肉にお好み焼きにうな重なんか、いかがかしら~?」
「かしこまりました」
私はご主人様のご命令の通り、キッチンで支度をはじめた。
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