第11話 母の願い
「京子、実はちょっと、お願いがあるんだけど」
「なぁに? お母さん」
食器を片付けながら返事をした。
「今日、お風呂、私に使わせてもらえないかな?」
意味がわからず、振り返ると、そこにはお母さんの意志のこもった眼差しと、その肩に停まったイケメンウミウシさんのキラキラした目があった。
ああ、そういうことか……
そりゃお母さんだって、女だもんね。
いいですよ、一日くらいお風呂抜いたって。予定が大幅に狂っちゃうけど、生理中の私が聖域を穢すのは確かに気が引けた。
さっさとパジャマに着替えて自室にこもり、癒し系の音楽をかける。
『僕はいいよ。今のままでも』
突然隆二くんに言われて私はビクッとなる。
「い、いや、私の心の準備が……」
『本当は汚れた体を僕に舐めて清めてほしいんだろ? ん?』
やめて……それ以上言うのは……
そんなわけで、私は暗い部屋の中、裸で布団にうつぶせになったのであった。
(アヘ顔ダブルピース♡)
隆二くんは、やはりというか、足のつま先から攻めてきた。
指の股を念入りに、ねっとりと、私をイジメてくる。
私が徐々に高ぶり、甘い息を吐く中、隆一くんはふくらはぎから内股をゆっくりと北上してきた。
下半身のピクピクがビクビクになり、ビクンビクンになりそう……
すでに足腰の自由はきかなかったが、私は手元の枕を握りしめ、必死に耐えた。
北上を続ける台風隆二号は、ゆっくりとショーツを迂回すると、恥骨のあたりを念入りに攻撃してきた。
血行の悪いこのあたりのツボにピシピシと毒を注入され、筋肉が弛緩すると、私のしまりのないお尻は何の抵抗もできずに開いてしまう。至る所で大洪水だ。
台風はなおも脊椎に沿って北上し、背中のあたりで速度を緩めると、周辺を念入りに湿らせる。腰のあたりでイッテしまいそうだった意識を取り戻した私は、奥歯を噛みしめた。
ところがここで、麻酔を打たれたように肩からスッと力を抜かれてしまった。
私の体で力を入れることができるのは、首から上と腰とお腹と指先だけ。
隆二くんの触手は背中からゆっくりと鎖骨や腋や胸に向かって下りてくる。
夢にまで見た生き地獄、だった。
『お前、本当はこうしてほしかったんだろ? ん?』
「は……はひ」
うつぶせで苦しくなった肺から無理やり息を吐く。私の胸は隆二くんに完全に支配されていた。
『やはり、変態だったか!』
「あはぁ!」
ほとんど持っていかれそうな意識の中で、私は屈辱的にも律儀に答える。
だが、今日の隆二くんはノリノリだった。これだけでは許してくれなかった。
二本の触手がゆっくりとビキニラインをなぞるように南下し、中央で合わさると、ぬめぬめと上下運動を開始する。
その瞬間、私は声にならない叫びをあげ、純白の夢の世界へ落ちた。
チュンチュン
翌朝、目が覚めると、私は隆二のにこやかな顔に迎えられた。
『おはよう! 京子』
じっと寝顔を見られていたことと昨日のことが瞬時に思い返され、あわてて背中を向けて言った。
「ちょ、ちょっと! ひどいじゃない! 何よあれ!」
『え? 「あかあかすりすり」のこと?』
「は? あかあかすりすり?」
『そう。あかあかすりすり。京子の肌、きれいになったでしょ』
そう言って隆二はにこにこしている(に違いない)。
確かに私の肌は普段よりもつるつるでつやつやしていた。
…………
(この外道イソギンがーっ! いつかヒィヒィ言わしてやるーっ!)
『(*´ε`*)ちゅっ♡』
「わひっ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます