第38話  「地獄」その3

 空の上から火の玉が降ってきます。

『逃げて、逃げて!』

 「地獄の人事課長」さんが叫びます。

 「くまさん」たちは「宇宙船アニー」から飛び出して、「人事課長」さんが指示したガラスのような「ついたて」の反対側に飛び込みました。

『あれに焼かれたら、復活できなくなります。とりあえず外に避難しましょう。』

『でも、アニーさんが。あ! 火の玉が!』

 「くまさん」が叫びました。

 そうです。火の玉がついに地面に届きました。

 そうして「宇宙船アニー」を直撃したのです。

 「アニー」はどわっと燃え上がりました。

『うわあー、「アニーさん」。大変だあ・・・』

 みんなの目の前で、「アニー」がめらめらと燃え上がります。

『さあ、こっちに来て。ここから脱出します。』

 大声で泣き叫んでいる「ぱっちゃくん」を「アマンダ」がむりやりひっぱります。


 「人事課長」さんとみんなは、その不思議な、建物のような、そうではないような場所から外に出ました。

 すると、「消火器」やら、「スコップ」やら「くわ」やら、「鉄砲」やら、「三輪車」やら、何だかいろんなものを持った「骸骨」たちが大勢、中に入って行きました。

『地獄の消防団です。彼らは焼かれても気にしませんから。』

 「人事課長」さんが言いました。

 「うわ。こわー!」

 「アマンダ」がそう言いました。

 「ぱっちゃくん」は、もう怖いし、びっくりしたし、大泣きしたし、引っ張られたしで、フラフラです。

『仕方ない、おんぶしよう。』

 「アマンダ」がそう言って、「ぱっちゃくん」を背中におんぶしました。


 その時です、何だかわからない、大爆発が後ろで起こりました。


 みんなは、ばらばらに、あっちこっちに吹き飛ばされてしまいました。








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