第3話  「しっくんの病気」

 ところがある日、「しっくん」は病気になりました。


 「お腹が痛い」と言っていましたが、病院に行ったきり、入院してしまったのです。


 「しっくん」の奥さんの「びーちゃん」が言うには、「ちょっとお腹の「手術」をするからね」


 ということでした。


 それで、「くまさん」たちは、お家で留守番になってしまいました。


 でも、「くまさん」はとても心配でした。


 もしかしたら、これが「しっくん」とのお別れになるのではないだろうか。

 そう思うと、「くまさん」はじっとしていられないと思いました。


 というのも、よく「しっくん」が「くまさん」にこう言っていたからです。

「僕が病気になって、たおれたら、「くまさん」が助けてくれるかなあ?」


「くまさん」は、「しっくん」を助けなければいけないと思いました。


 それで、ぱんだの「ぱっちゃくん」や、きつねの「こんちゃん」、ねずみの「ねずくん」、大きな牛の「もーくん」、真っ黒な犬で、いつも舌を出しておねだりしている「わんさん」。


 奥さんと同じ名前の、ビーバーの「びーちゃん」、それに「しっくん」が遠くの「砂丘」から連れて帰った、らくだの「らくさん」🐪、ウォンバットの「ウォンちゃん」。

 

 さらに、古代の海から来た、「アノマロカリス」の「カリスくん」もいました。


 そのほかにも、「ぱっちゃくん」と同じ、「ぱんださん」の仲間もたくさんいました。その中には、「ぱっちゃくん」よりも前に、「しっくん」が昔、ひとりでデパートに行って買った「お花を持ったぱんだちゃん」もいました。


 お花はもう枯れてなくなっていましたけれどね。


 本当はこの「ぱんだちゃん」の頭には、ながーい「スプリング」が付いていて、上からぶら下がることが、できるようになっていましたが、「しっくん」が取ってしまいました。


 それから、本当にちっちゃな「ミニぱんだちゃん」もいましたし、いつもにこにこして、ちょっと体をひねっている「にこにこぱんださん」とか、赤い「ネクタイ」をした、真っ白な「しろくまくん」もいました。


 オルゴールがお腹に入っている「オルゴールのくまさん」や「オルゴールのうさちゃん」もいました。


 その他にも、漫画で有名になった「くまさん」や、「あざらしくん」など、たくさんのお友達がいました。


 そうそう、まだ、箱に入ったままで出してもらえていない「ぱんださん」もいました。


 この「ぱんださん」は、自分で歩いて、「でんぐりがえし」をするはずなのですが、まだ「しっくん」も、それを見ていませんでした。本人は、いいかげん、箱から出してほしそうにしていました。


 それに、お話をする男の子などの、「ロボット」さんも、三人いました。


 そうそう、大きな「ロボット怪獣」の「かいじゅうくん」もいます。スイッチが少し壊れていますが、セロテープで押さえてやると動きます。あまりに大きくて重いので、しっくんでさえも、落っことしたりしていました。

 

 さて、それで「くまさん」は、すべてのお友達を夜中に起こして、会議を開いたのです。


 会議は『「しっくん」を助ける方法を考える審議会(しんぎかい)』という、むつかしい名前でした。


 この会議は、二階の「しっくん」のお部屋で開かれました。


 議長は、もちろん「くまさん」でした。





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