戦う寿司職人
彩原裕樹
本編
防衛艦「寿司」に乗った私達「職人」は目の前の敵、海魔と対峙していた。
「ヒャヒャヒャ!オマエラモノミコンデヤル!」
腹はへこみ、頭は膨れ上がり真っ赤になっている。
「それはどうかな、打て、
大砲で口の中に打ち込む。
「キ、キエェェェ!」
白目をむき、苦しそうな叫び声をあげる。
「おいおいそんなものか?まだまだだぞ、
オレンジ色の光線を照射し、リング状の炎を顔に命中させる。
「アァ!アアアツイアツイアツイ!アツイイイ!」
顔は焼けただれて、目は大きく見開いている。
「
「グッ、ガ、ガアァァ!」
「よし、打ち込むぞ!
赤く光る無数の弾が放たれる。
これでどうだ!
「クッ、マ、マダ…、マダイケルゾ…」
いつもの敵ならここで沈んでいるが、しぶといなこいつ。
やはり海産物には耐性がついているのか。
それならこれだ。
「放て、
緑の閃光が海魔に向かって何本も放たれる。
「キィィ、カラカラカラィィィ!?」
体をガクガクと震わせ、唇は痙攣している。
だんだん魔物の体が沈んできた。次で決めるぞ!
「これでとどめだ、
黒い筒状の爆弾を打ち込む。海魔に当たると中からたくさんの球が繋がった糸が出てきて絡みつく。海魔は外そうとするが、糸はぴったりと体に張り付いている。
「ウグ、クルシイ、ウググブグ、グヘェ…」
ブクブクと泡を吹いて、海魔は沈んでいった。
はあ…終わった。
壁にもたれ、目を閉じた。
「ちょっと、大将?大丈夫ですか?」
目を開けると、目の前には倒したはずの海魔ではなく、常連の女性客が座っていた。心配そうな目でこちらを見つめている。
「あ、ああ、すいません、お客さん」
「本当ですか?今日の寿司、いつもよりわさび多くないですか?あと納豆巻出すなんて珍しいですね」
「あれ、今日私、何お出ししましたっけ?」
「えーと、納豆巻とマグロとイクラ、炙りサーモン、カニ、イカにウニですよ」
戦う寿司職人 彩原裕樹 @15yukitatra
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