王様の耳は

作者

9

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★★★ Excellent!!!

――

ページを開いて真っ先に「悔しいっ!」という感情が湧き上がった。古典落語の名作にSFネタを織り込むというコンセプト、できることなら自分が先に世に出したかったのだ。
しかし、本作を読み進めるにつれてそんな不遜な気持ちも薄れた。なんといっても芸の仕上がりが違いすぎる。寄席の空気がそのまま伝わってくるような語り口調の文章に、広く深い知識に基づいて展開される高度な最先端科学ネタ。こんなものを素人が一朝一夕で真似できるはずがない。まさしく当代一の名人の所業だ。
現在公開されている三作を読んだだけでもお腹がいっぱいだが、この先さらに上演が続くなら画面にかじりついて待ちたい。そして千年先までこの名演を残そう。