四星、激突す
六畳のえる
四星、激突す
「ねえ、ウィード」
「なんだ、グリンテ」
コードネームで呼び合う。深夜、正義の味方として活動する俺達4人、「
「今日はアタシ、ピックと組むわ」
「じゃあ俺はレーンとだな」
回転寿司の裏の空き地。今日もまた、修行を兼ねたバトルが始まる。
「アタシから行くわよ!」
グリンテが手を上に
4人が持つ
「飲まれろ!」
高波は、今日の相棒、レーン目掛けて滝のように落ちてきた。彼は、ポケットに両手を入れながら、クックックと笑う。
「僕の突進に勝てるかい?」
ギンッと目を見開き、左足でアスファルトを蹴る。ドンッという人間の足から出たとは思えない音とともに、目にも留まらぬ速さで動き、その高波を突破した。
彼の
「ヒャッハー! 弾けろや!」
ギャリン!
その
「やるねえ、ピック」
「読みやすいんだよ、お前の軌道は」
「ウィード、僕ごと包め!」
「あいよ」
そして俺は両手を前に翳す。やがて、2人なら余裕で包めるほどの
「
2人に向かって飛んでいく海苔、しかしピックがそれを斬り破り、勢いそのままこちらに突進してくる。
「せいっ!」
「うおっ!」
海苔を羽にして飛び、なんとか避けた。
「さて、ここから――」
「そこまで!」
地面が
「ぐえっ!」
「またやってる!」
「……やあ、ジンジャー」
彼女が俺達の上司。
「明日の準備は! 正義の味方なんて1円にもならないんだから、昼は回転寿司で稼いでもらわないと、首も手も回らないわよ!」
「はいはい……」
回るのは寿司だけで十分だな。
四星、激突す 六畳のえる @rokujo_noel
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