Leviathan~地球が滅びかけたので全人類が異世界に~
仲間邦雄
第1話 始まり
一体、、、、、何が起きたんだ????
「お、俺は確かにさっきまで・・・・。あれ?」
そう、それは確かに、さっきまで《俺たちは》《日本にいた》。
はずだった。が、強制的にそれは行われた。
「でも、なぜだ、なぜ・・・・。」
なんで記憶がある????ありえない。これはいわゆる、《デジャブ》なのか?
それまで、その少年は、計7000回目の《ゲームクリア》を行っていた。これは、ただのVRゲーム。それも、情報科学において予測される《メタバース-既知の集合-》という形成された宇宙シュミレーションで〝事故〟に遭った、ある1人の〝青年〟の物語である。
それは、今(2017年1月)から10年先の話になる。
「開戦・・・?」
少年が見ていたのは、ネット上のニュースサイトと電子掲示板であった。彼自身、世界情勢なんてのは見る柄ではなかった。そもそも彼は〝ニート〟で、毎日、ベーシックインカムで得られる収入が頼りであった。他は全て、《来るべき完全没入型VR》購入の資金のために、《身体を売って》資金を集めていた。さて、そんな彼だが、今まさに、《自分のいる〝島〟》で、世界情勢に置いて全てが注目する事件が起ころうとしていた。《米帝》。それは2017年1月に北米地域で早速成立した新たな政体であった。その性格とは、極右的な体制であり、その脅威があろうことか日本・中国・韓国・北朝鮮・台湾、、、、、そして、今回の物語の舞台になる《沖縄》に焦点がいった。
「おい!!!!!!開けろ!!!!!」
一体何が起きているだ・・・・?そう混乱している少年。どうやら外が騒がしいようだ。それもそのはず。既に《火は放たれた》。
ネット上では次の書き込みが押し寄せた。
― [] 投稿日:2017/01/27(金) XX:XX:XX.XXX ID:***
おい、今、家の前の道路で人が沢山死んでる・・・。
― [] 投稿日:2017/01/27(金) XX:XX:XX.XXX ID:***
暴徒が沢山いてわろたwwwwww
― [] 投稿日:2017/01/27(金) XX:XX:XX.XXX ID:***
本当にこの国が終わるんやなって・・・・
― [] 投稿日:2017/01/27(金) XX:XX:XX.XXX ID:***
今月ヤバすぎるだろwwwいろんなこと起きすぎてわけがわからないw
― [] 投稿日:2017/01/27(金) XX:XX:XX.XXX ID:***
最高裁で判事が次々と《クーデター事件》の主犯者として名前が挙がってた時からおかしいと思ってた。
― [] 投稿日:2017/01/27(金) XX:XX:XX.XXX ID:***
どうせまたCIAの仕業だろ???
― [] 投稿日:2017/01/27(金) XX:XX:XX.XXX ID:***
ってか、与党の連中がもう永田町で全く姿が見えないらしいぞw
そう、この国では今、《騒乱》が引き起こってた。実に恐ろしい空間がそこには広がっていた。これが後の異世界行きの前置きなのである。
さて、少年は、、、、、沖縄にいる。ここが全ての騒乱の軸になっていた。
―――――――沖縄BBS
― [] 投稿日:2017/01/27(金) XX:XX:XX.XXX ID:***
なんか、民族解放団体が独立宣言を強行しはじめましたね・・・。
― [] 投稿日:2017/01/27(金) XX:XX:XX.XXX ID:***
なんであの政体にアメリカ人が沢山出入りしてんの?
― [] 投稿日:2017/01/27(金) XX:XX:XX.XXX ID:***
この1週間で電撃的に締結された条約って全部、この《租税回避地》を作るためだった・・・?
― [] 投稿日:2017/01/27(金) XX:XX:XX.XXX ID:***
ってか、この一カ月で《中国もロシアも崩壊して》《最後には日本も崩壊》するって、マジで大丈夫かこの世界・・・・?
― [] 投稿日:2017/01/27(金) XX:XX:XX.XXX ID:***
最近だとECB※1もやばいらしいよ。FRBが裏で1枚噛んでるらしい。
※1 欧州中央銀行
― [] 投稿日:2017/01/27(金) XX:XX:XX.XXX ID:***
欧州もロシアも中国も中東もインドも南米も日本も、むちゃくちゃ。
― [] 投稿日:2017/01/27(金) XX:XX:XX.XXX ID:***
マジで極右団体がこわすぎるんですけどwwww
― [] 投稿日:2017/01/27(金) XX:XX:XX.XXX ID:***
あいつら本当にキチガイだろ。沢山人死なせてる・・・。
― [] 投稿日:2017/01/27(金) XX:XX:XX.XXX ID:***
確か、《日本復帰を支持した〝反琉球民族主義者〟を粛清》するんだっけ?
少年はネット上で情報を集めていくうちに、ある1つの組織が目に映った。
「(那覇市辻・・・・?ここに一体何があるんだ・・・。)」
それはナショナリズムによる騒乱によって隠れていた重大事件に関与されてるとしてる団体名であった。
「(Red Loutus・・・。)」
Red Loutus。それは、世界各地の独立騒乱、民主化運動や内戦において必ずその[紅い蓮]がシンボルとなって動き出してる組織であった。
「あらゆる騒乱に関与してるそれか・・・・。やはりこいつらがこの独立騒乱、いや、今、日本本土で最高裁事件をはじめ、治安崩壊の全てに裏で糸を引いてるか・・・・?」
そんな根拠もなく、あくまでも迷走気味に着想した考えを口走っていた。だが、すくなくとも、この状況は世界破滅時計と呼ばれるそれを残り1秒に切っていたものか、もしくは振り切ってるといったところである。もはや収拾がつかない。
そんな中、彼の家にある女性が訪ねて来る。
「開けろ!!!!!!!!!!!!!!!!」
目まぐるしくドアを叩きまくり、最後には窓ガラスを入って侵入してきた。
驚愕し、目を見張る少年。その女性は慌てふためいてその少年の両腕を掴む。
「すぐにこれを装着しろ!」
「えぇ・・・?!」
何のワケも聞かず、半ば強制的に混乱する少年に、その《エキセントリックなVR》は装着されたのである。
すると少年は、急にぐったりとして、倒れ込む。
「よし、これでいい。・・・・。だけどもうあまり時間がない。《この世界もすぐに崩壊してしまう》。はやく《次の深層に行かないと》。」
女性はすぐにホルスターから銃を引き、自殺する。そうすると、たちまちに巨大地震のようなものが襲い始めた。空間が避け始める。電子信号が目まぐるしく成り、〝0〟になった。
・・・。少年は、もはや何回かすらも数えていないゲームのループを行っていた。それは、《VR》と呼ばれ、2020年代の終わりごろに《完全没入型》と呼ばれる、人間の全ての神経を繋ぎとめ、完全にその世界に入り込むシステムが普及していった。だがこれは、紛れもなく《人類の終わり》でもあった。3次元トランジスタが導入され、更に量子コンピューターがついに完成し、収穫加速の法則におけるCPUの成長の鈍化を破り、無事、シンギュラリティを突破したのである。《VR》とは、もはや、《上部構造》が《下部構造》に対する《引導》でもあった。もし、人工知能が人類に敵意を持つことがあるとすれば、それこそありえないのである。なぜなら人工知能は1秒間に300回ものパラダイムを通過し、人類を一瞬にして収束点に追いやってしまう。人工知能が見てるのは、ただただ無限すら超えた先なのだ。
世界情勢とは、グローバリズムである。市場は技術革新によって創造的破壊を繰り返す。今、少年がやってるゲームとは、《自らを創造的破壊》するゲーム。それは、《自分の深層》と《現実世界》を一致させた、《宇宙シュミレーション》ゲームである。その世界でのゲームクリア条件はただ1つ。《破壊の完全阻止》である。それが、現実世界そのものと自分の深層をリンクさせ、《世界の命運》を握るという、ゲームのコンセプトであった。
問題はここからである。《事故》とは、つまり、そのシステムが《現実と幻想の境界を破壊してしまった》事である。それは精神的なものではない。
《現実を本当に改変してしまう》ことなのだ。
つまり、こういうことになる。
「ありえない、なんで俺が。」
少年は自分の家に訪れると、家では、自分自身がVRをしているではないか。
VRをすると、なんと、現実世界そのものを回遊できるのである。
さて、ここで問題である。このゲームのコンセプト、つまり。
《創造的破壊》とは、自らの頭すら《創造的破壊》し、古き価値観を破棄し、《新世界》そして《世界大戦》に臨むのである。
特にこのゲームの世界観で重要になるのが《要石-KeyStone-》。
つまり、《沖縄》である。
米帝はこの時代(2017年1月から)において、東アジアにおける《創造的破壊》のために、貧困層を扇動し、その国々の治安を破壊する準備をしていた。そして、それを最も効果的に行えるのが、《沖縄の独立》なのである。ここは石油の輸送路があり、日本と韓国を通過する。ましてや米帝は今や《日本の敵》同然であった。《米海軍が太平洋を支配している》事が、《日本が米軍の駐留国》であることが、どういうことなのか。
《力で屈服させる》。それが今、米帝を支配している《王》の絶対原理であった。
今、少年は、幻想と現実の間を物理的に移動している。現実の果ては幻想、幻想の果ては現実。この幻影に立ち向かうには、まず、自らを戦場に投じなければならない。それこそ、この《世界の真の創造者-Architect-》の知るところである。
このまま行けば世界も滅ぶだろう。
では、簡単な話である。ゲームを終わらせる方法は1つだろう。ここに、ゲームの全てのクリア条件がある。
女性は言った。
「あなたは半永久的に自分を殺し続けないといけない。」
そう、物理的な創造的破壊なのである。死とは、自らが滅ぶ事だが、創造的破壊とは、自らを自らが滅ぼすことを意味するが、この場合、自ら、は2人いる。自ら、を殺しても、自殺にはならないのだ。
世界は際限なく滅ぼす。それが宿命である。それが、《創造的破壊》の阻止のための《創造的破壊》。それはプレイヤー側かNPC側か、違いはそれだけだ。
「教えてくれ、俺は誰なんだ、あんたはなんでここに。さっきのは一体。」
「なんでもない、ね。笑わせるわね。あなたが数分前に言い放った言葉よ。」
「やはり・・・・俺以外にも俺がいるのか・・・・。」
「オリジナルが2人いる・・・・。あってはならないことかしら?」
「普通考えればそうなるんじゃないかな。」
台詞のキャッチーさとは対照的に完全に絶望して嗚咽してる少年の姿を想像してもらいたい。今、少年は何をどうしたいいのか、半ば廃人になりかけるほど深刻な人格錯誤を引き起こしてる。
「私が慰めてあげる。それが私の役目、何も考えてはいけない。あなたはただ、《自らを殺し続ければいい》。それで《現実が回る》んですもの。」
女性が、一体何者で、何が目的なのか、不明だが。女性はただ、少年が必要とする時に、《排泄》のための便器になる存在であった。
さて、VRは、完全な宇宙シュミレーターとなり、計算機内部で引き起こってる事象は、紛れもなく現実に影響を及ぼす《重力波》を発し、現実に干渉してることが2030年代の終わり頃に発見されたが、もはや手遅れだった。《無限病》。そう呼ぶにふさわしい。どこかのフィクショナリーは、「終わりなき終わり」という台詞を吐かせたが。実際は、終わりではなく、単に次元が1つ上の段階に行っただけである。
VRはとんでもない事故を引き起こした。まず第一に、《現在の地球文明》の失敗を《人類全体》に意識させたこと。これが全ての引き金になった。
《創造的破壊》とはまさしく、その絶望に付け込むものである。だが、今回の場合は、VRという絶対にぞんざいに扱ってはならない凶器が関わってしまう。
結果、それに対する《執行》として、《新世界》を生み出す結果となった。
こうして、人類は、《禁忌》として《世界情勢》に《現実で起きる幻想》と《幻想で起きる現実》を交差させ、その状況として、《世界が創造的破壊によって完全にバランスを破壊してしまい、新世界の転居のためのワームホールを開く》という形になった。そしてここからである。今回の物語の主人公たる《少年》の世界に、あろうことか《人類》がそのまま入ってきてしまうのである。
「教えてくれ、どうなってるんだ。俺はさっきまで・・・。」
少年は目を激しく動作させ、女性にしがみつく。
「いいか、先ほどのシュミレートは忘れろ。今、異物が君の脳内に干渉してる。」
女性が淡々と説明する。
「なんの話だ一体。」
「はっきりいってしまえば、人類の現実が、君の現実の中に入ってしまってる。外から見れば、人類が完全に本物の現実世界と隔離されてることになるな。もはやセカイ系ですらない。」
「・・・・VRか。あれは一体なんだ!?なんかの不思議アイテムか???」
「不思議アイテムではない。れっきとした《重力波兵器》だ。」
最も、その名前自体は彼女が勝手につけたものだ。そう、全て、《重力波》が関係していた。シュティンガーの猫を実際に直観できるシステム、それがVRであった。それから、更に現実世界を改変する手法にまで確立していくようになる。VR自体は既に完璧なもので、後は人間の深層意識、超自我とVRという《重力波巨大拡張器》によってリンクさせ、晴れて、現実と幻想がその外殻を崩壊し、《死》を超越し始める。もはやこれは、《不老不死》など、生ぬるいものではない。不老不死では《苦痛》という《現実》があるからいいだろう。だが、現実と幻想の境界が崩壊した、今、《現実》そのものが《異質なもの》に切り替わったわけである。言葉に表すと《現実ではあるのだが、その形態を完全に逸した〝何か〟》。事の重大性がこれでお分かりだろう。
「仮にそうだとして、どういうわけだ。さっきまで俺は何度も自分を殺し続けることで、世界を存続させつづけたはず。それだけで全てが成立していた。だが、なんで、《全く関係ない人の意識が自分の中に入って来てる》?」
Leviathan~地球が滅びかけたので全人類が異世界に~ 仲間邦雄 @thrud392
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