第12話 要点

「...全体的にはなんとなく解ったんだけど。」

ルークが言葉に詰まる。言いたいことはわかる。俺も多分同じことを考えているはずだ。


「「肝心の獣使いビーストテイマーについては⁉」」

やっぱりな。

「えぇ?ああ、ごめんなさい。忘れてたわ」


獣使いビーストテイマーとは、ある特別な儀式をして、魔物やその他生物を従える人々のこと。

儀式~従えるまでの一連の流れを<テイム>、それをするから<テイマー>ね。

私は、儀式をしてないのよ。いつの間にかついてきてたの~♪



いつの間にかついてくるなんて言われても腑に落ちない部分はあるが、とりあえず今は納得しておこう。


~~~~~

「説明ありがとう、イブキ。それで俺はここ、インジュの森を突っ切って先のカリファに向かおうと思う。」

「ここ突っ切るの⁉インジュの森は迷うって有名じゃない!」

「...地図あるし。」

「地図で攻略出来るなら、こんな大っぴらな噂は立ちません! まあ、旅は道連れって言うし仕方ないわね。」イブキは呆れていたが、その間ルークは終始笑顔だっだ。理由はすぐに判明した。

「いいねいいね!冒険者みたいな会話だね!」


ここで冒険者だろと突っ込むのは野暮だ。

「...冒険者でしょ。」

しかし、俺の隣のこの女には躊躇いがない。ルークは一瞬目を丸くしたが

「そうだね。冒険者...なんだね...!」と嬉しそうだ。


だが、これは伝えた方が良いだろう。

「嬉しそうなルーク君、インジュの森のレベルは2だ。強いぞ。」

ルークの顔から色が退いてしまった。

「...ふ、二人となら...こここ、怖くないし」

「大丈夫よ、幽霊系は出ないわ。」

イブキの言葉でルークは少し安堵したようだ。


「それじゃ、、、行きますか!」


森の内部までは地図にも載っていない。

でも、この二人となら、どんな困難も振り切れる。そんな確信めいた考えはあった。


地図にないあぜみちも二人となら怖くない


この先も3人で、一緒に!と意気込んで並んで歩きだす。


冒険はまだまだ始まったばかりだ。


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