★★★★――バックドラフト(1991年)

 火災の消火にあたる消防士の活躍と兄弟の絆と葛藤を描くヒューマン・アクション大作


 監督は『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズを手掛けたロン・ハワード。脚本はグレゴリー・ワイデン。


 今作の主人公ともいえるブライアン・マカフレイをウィリアム・ボールドウィン。

 彼の兄スティーブン・マカフレイを『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』でチームを纏めるリーダー、ピーター・クイルの父親であるエゴを演じたカート・ラッセル。『タクシードライバー』でトラヴィス・ビックルを演じた名優ロバート・デ・ニーロ。


 さて、誰しも名前は聞いたことのある映画史に残る名作であり、消防映画の原点である作品ですが、いやぁ、今見ても色褪せることのない傑作でした。


 序盤から主人公の父親の死という衝撃の展開から主人公であるブライアンとその兄貴であるスティーブンとの絆や軋轢、二人の男女の中に迫ったロマンスなどいい具合に配分されています。


 この映画で素晴らしいのは特に消防士たちが直面するような火災現場リアリティを本格的に再現していることですね。生き物のように振る舞う炎をかいくぐり、消火や救助を行う消防士たちの姿は緊迫感を持って見ることができます。

 その炎に果敢に挑む兄の姿に自分の限界を悟ったブライアンは火事の原因を調査するリムゲイルの元で火事の原因を探るようになるのですが、それまで炎の中のアクションや訓練や日常生活の中で浮き彫りになる兄弟の関係が描かれていたのですが、後半からは陰謀渦巻くサスペンス仕立てに一気に様変わりしていきます。


 そして、物語が進むに連れて明らかになる連続放火殺人の意外な犯人。これも犯人にたどり着くまでの持っていき方が上手かった。最初の容疑者で「え?」ってなった後に真犯人が明らかになりますし、その先の展開でどのようなことになるか分からない宙吊り状態だったので非常にそそられます。


 のちの消防士たちが活躍する映画やドラマに多大な影響を与えているので、おすすめでした(笑)。

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