【第二章】鬼畜ブローカー「Dragon Flag」の謎を追え!
第30話 National Highway -Ayaka side-
メコンデルタの調査を終えた二人は、ファングーラオ通りから出発する国際バスでシェムリアップへの帰路についた。
途中、モクバイ国境で休憩をはさんだバスは National Highway 1 を一直線に進んでいる。
どこまでも続く緑の田園。
通り沿いに並ぶクロラン屋台。
カンボジアは私にとって第二の故郷になりつつあった。
※クロラン=薄い竹筒に、もち米、黒豆、ココナッツミルクを詰めて蒸し焼きしたローカルフード。
メコン川にかかるつばさ橋を渡り、クメールの大地をひた走ったバスはカンボジアの首都プノンペンに入った。
※ ※
『ネアックルン橋』(通称:つばさ橋)
カンダル州とプレイベン州の境に橋を造ったのは日本である。感謝の証として、現在流通するカンボジア紙幣(500リエル札)に「日の丸」が描かれているエピソードはあまりにも有名だ。
※ ※
初めてプノンペンにやって来たカズさんは、夜の帳が下りた町並みをキョロキョロと見回している。
「同じカンボジアでもシェムリアップとはまるで感じが違うよなぁ。一国の首都とは思えないほど薄暗いねぇ」
「たしかに・・・。でも、クメール語が通じるって最強だわー。通訳ならお任せあれ!」
「頼んだよガイドさん!プノンペンとくれば、あの名物宿に泊まらなきゃね」
そう言って"キャピタルゲストハウス"に向かって歩き始めたカズさんを私は慌てて呼び止めた。
「ねぇねぇ!ちょっとストップ!飛行機代を節約できた代わりに泊まってみたいホテルがあるんだけど・・・」
「ん?他にどっかいいところ知ってるの?」
そんな二人が目指した先は日本人なら誰もが知る"キングオブビジネスホテル"だったのである。
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