第5話 : 国一番のニッキー

何ヶ月か過ぎた日曜日の事


立派な洋服を着て、立派な子供服を手にしたニッキーは、西の街へ帰って来ました。


「どうだい!立派になった僕!立派なお土産!西の街のみんなも喜んでくれるに違いないさ!」


・・・・・


街中の視線を浴びながら広場へ向かうニッキー。


「さぁ!国一番の人気者!ニッキーが帰って来たよ!お土産が欲しい子供達は寄っておいで!」


…どうした事でしょう?

子供達はおろか、人っ子一人も集まりません。

みんな遠くからチラチラ…ヒソヒソ…とするだけです。


「これは…みんな、いったいどうしたんだい…?」


呆気に取られるニッキーの耳に、街の人達のヒソヒソ話しが聞こえてきます。


「病人に嫌がらせしたんですってよ?」

「なんでも学校の授業を邪魔したって話しだ」

「行く先々で、他の街の人を馬鹿にしてたらしいじゃないか」

「あんなに仲良しだった子供達まで…なんてひどい!」


「違う…違うよ、誤解だよ!僕は、みんなに服を…」


バサッ!


どこからか投げ捨てられたニッキーの服を見て、ニッキーはその場にしゃがみ込んでしまいました。

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