第3話 : 南の街のニッキー

次の日曜日の事


「ここなら病院も近くに無いし、今日中に服を配れば学校にも文句を言われないぞ。」


南の街に着いたニッキーは、急いで人を集めます。


「面白過ぎて北の街を追い出されてしまった西の街の人気者、ニッキーが来ましたよー!」


北の街から来たと聞いて、子供達だけでなく大人達も集まってきます。


「しめしめ。北の街…と言えば南の街の大人は興味を持つ。そして大人は子供を連れて来る。狙い通りだ!」


・・・・・


集まった人達を前に、得意のジャグリングを披露するニッキーですが、喜ぶのは子供達ばかりで大人達は退屈そう。

このままでは飽きた大人に連れられて、子供達まで帰ってしまいそうです。


「え〜お次は…北の街の警察官のモノマネをします!…『あーヂミヂミ!こげなどごろで芸をしちゃ〜イカンずら!』」


大袈裟に滑稽にモノマネをすると、大人達は大笑い。

これはチャンスと、ニッキーは畳み掛けます。


「続いて北の街の看護婦!…『ぁたしぃ〜ナース?みたぃな?ってゅぅかぁ〜』」


「更に続いては北の街の校長先生!…『ワスの学校はツマランのですばい。トホホのホ〜』」


北の街を良く思っていない南の街の大人達は、滑稽なモノマネに大喜び。


「今日はありがとうございました!良かったらこのニッキーの服を子供達に…」


大人達の拍手の中、ニッキーは服を配り始めます。


「あら面白い服ね。はい、じゃあこれ。銀貨1枚で足りるかしら?」

「え?あ…は、はい!ありがとうございます。」


まさかお金を貰えるなんて思っていなかったニッキーはビックリ。

瞬く間にニッキーの服はたくさんの銀貨へ変わりました。


・・・・・


「この銀貨があれば旅も続けられるし、服だってもっとたくさん作れるぞ!そうか!服を大人達に売れば、もっとたくさんの子供達に服を届けられるじゃないか!」

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