第2話 : 北の街のニッキー

次の日曜日の事


大きな荷物を抱えたニッキーは北の街へとやって来ました。


「北の街のみんなは僕の事を知らないから、先ずは僕の事を知って貰わなきゃ。」


「西の街の人気者、ニッキーがやって来たよ!子供達は寄っておいで〜!」


街中の子供達を広場へ集めたニッキーは得意のジャグリングを披露します。


「すごい!すご〜い!」

子供達は大はしゃぎ。拍手喝采、歓声の嵐です。


「明日もお昼からやるよ!プレゼントも用意してあるから、みんな友達を誘って見に来てね!」


プレゼント!その素敵な響きに、子供達の喜ぶ声が一層大きくなりました。

大人達も何事かと注目しています。


「よぅし!大成功だ!明日が楽しみだなぁ」


・・・・・


翌日の事


「ふふ…用意した服で足りるかなぁ」


ワクワクしながら広場へやって来たニッキーを待っていたのは、たくさんの子供達!

…ではなく、何人かの大人達だけでした。


「あーチミがニッキーとやらかね?」

警察官が訪ねます。


「イカンよチミ!こんな所で芸を披露するなんて!」

「え!?そんな決まりがあったんですか?」

「決まりは無いが、迷惑しとる人がおるのだよ!」


「子供達が学校を休んで広場に行くと言い出して困っとるんです。」

校長先生が困り顔で言います。


「そこに病院があるでしょう?騒がしくて患者さんがゆっくり休めないんです。」

看護婦さんが悲しそうに言います。


「でも僕は子供達にワクワクを届けたいだけで…」

「とにかく!ここで芸をしてはイカン!さっさと出て行くか、さも無いと牢屋行きだぞ!」

ニッキーは北の街を追い出されてしまいました。


・・・・・


「ちぇっ!なんだい!北の街の奴らは!僕は決まりを破ったわけじゃ無いぞ!」

「子供達が学校に行かないのは、学校が僕よりツマラナイのが悪いんじゃないか!」

「だいたい何で広場の隣りに病院があるんだ!それに騒いだのは子供達で僕じゃ無いぞ!」


ニッキーは腹の虫が収まりません。


「そうだ!南の街へ行こう!あそこは北の街と仲が悪いらしいから、僕の事もわかってくれるはずさ!」

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