主任、やつらが動き出しますよ
38-1.※よい大人はマネしないでね
――ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!
結界スキル『獄炎陣』
地面に描かれた魔方陣。
そこから、轟々とした火柱が立ち上った。
その上にいたモンスターたちが、跡形もなく消滅する。
――計32ポイント加算
「いやあ、絶好調ですなあ!」
「それもこれも、牧野どのチームの美幼女成分を摂取したおかげですぞ!」
「やはり幼女こそ世界の真理! 我らが糧!」
マントをかぶった三人組が、手を重ね合わせる。
「「「イエス・ロリータ・ソフトタッチ!」」」
チーム【黒魔術倶楽部】。
そのリーダー、若松が遠くを見た。
「むむっ!」
「どうしましたかな!?」
「……幼女の匂いがしますぞ」
「ほう! それは牧野どのチームの、あの美幼女ですかな!?」
「いや、これは別の幼女ですな!」
「「なにい!?」」
一同が驚愕する。
「まさか若松どののお眼鏡にかなう美幼女が、まだいたということでござるか!」
「たまらんでござるぞおおおおおおおおおおおお」
興奮冷めやらぬ様子で、一同は構える。
「では、さっそく行きましょうぞ!」
そのときだった。
進行方向に、巨大なモンスターが姿を現す。
「あ、あれはエピックですぞ!」
「ぬう、こんなときに! 若松どの!」
行動の決定権を委ねられた若松が、鋭い眼光で見据えた。
「――幼女を優先する!」
「「異議なし!」」
三人はスキップしながら幼女の匂いのするほうへと駆けだした。
「ぺろぺろするでござるぞおおおおおおおおおおお」
「うっひょおおおおおおおおおおお」
――ガサッ!
そのとき、彼らの背後の茂みが揺れた。
…………
……
…
トーナメント会場。
『さすが理想のロリータを求めて世界中を駆け回る【黒魔術倶楽部】。その壮絶な攻撃スキルもそうですが、このまましょっ引かれるんじゃないかと見ていてハラハラしますね』
『……むしろさっさとぶち込まれたほうが世の中のためなんじゃねえかな』
なぜかゲスト席に、寧々が座っていた。
『さて、解説にはピーターさんに代わり、年齢詐欺合法ロリとして一部で熱烈なファン層を持つプロハンター、小池寧々さんにお越しいただいております!』
『張っ倒すぞコラ』
『お、出ましたねえ、寧々節。この声に罵倒されたいという男性も多いそうですね!』
『……もういいよ。ていうか、どうしてわたしが?』
『それがピーターさん、フライトの時間がまずいとかでお先に帰っちゃったんですよねえ』
『ぐだぐだじゃねえか……』
『寧々さんとしては、これまでの経過を見て、どうでしょうか?』
『とりあえず利根は死ね』
『私怨丸出しですねえ。じゃあ、どこがステージを獲ると思いますか?』
『そうさなあ。正直、利根のところを除外すれば、やっぱ『どさんこ』の連中が可能性あるだろうなあ』
『現在、ポイントでもリードしていますからね。このまま逃げ切りか、あるいは他のチームが逆転の目を、……おや?』
ポイント一覧に目を向けて、アナウンサーが目を丸くする。
『これは……?』
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