リィーの唄と目覚め

一つの黒い岩に糸のように光が絡み付く

その光は『ダビデ』の崩壊後にできた黒い穴から吹き出している

「ソラ気をつけて。」

翼のある兄弟に乗ったユーリが呟く

「なんか体にからみつくんだけど。」

光の糸がソラにもからむ

暖かな光はユーリの胸元に吸い込まれる。

「ウワッ!」

巨大な岩に飛ばされソラがバランスをくずした


「イタタ。あいかわらずだな。」

飛ぶのが下手なのだ

落ちた拍子に岩に体をぶつけて痛かったがそこは下は真っ白な羽根におおわれていた

「フィールの谷の一部だよこれ。」

白い羽はネプチューンのペガサスが幼年期に生えている羽根だ

みどりのブツブツがついた木のような物はそこにしか生えないキュルの木だ。

羽根が舞い上がりユーリは顔を伏せる


顔をあげると白い岩の上にポロリポロリと翠色の石が落ちてきた

「ソラのこれとれない。」

ソラの額についた石を取ろうとするがとれない

ソラの鬣がカールして伸びはじめた

「ユーリ乗ってもう僕落ちないと思うよ。」

ソラにまたがると翼がまっすぐのびた



石よ輝け

結びあえ

結び結び

形になれ

形あるもの飛び立て

............

シャイナの歌

透き通った声に導かれるように金色の石たちが光りだす

命よ踊れ

舞を舞え

.........

ソラが金色の板の上におりた

炎がたつが暑くはない

ユーリは小鳥が飛ぶのをみた

そして金色の羽根に燃えるような真赤な尾の鳥が飛び立った

強い力でユーリとソラは目をつむりそのまま意識が旅に出た





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トリオシティ 永久 夏波 @fumakamami

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