リュウヤの決断
リュウヤはリラの実をみつめていた
この実は王都の森でとれる特殊な物で普通のリラの実とちがい固い殻に覆われている
『もうこれを持って来るのは最後になります。』
ソーダが言っていた
王都は戦場になりそうだという
各地で悪魔の侵略は悪化し魔術師達は『ダビデ』を出ていった
一族の者は戦闘を知らない
武力だけなら戦えるだろうが魔力で責められたら
ここは滅びる......
「他に移るにも安全なのは『アース』だけだ、あそこに行くまでが大変だ。」
移民のリーダー、イサムは親のない子供達の移動を試みたが途中戦闘にあった
子供達は生き延びた者もいるが大半は犠牲になった
リュウヤが胸を痛めているのは犠牲になった子供達の大半が過酷な人体実験の犠牲になった子だったからだ
『僕たちは普通には生きれない。機械がないと死んじゃうんだ。』
リーダー各だった少年の言葉が忘れられない
戦闘機化された少年の体はリラの実のように武装がなければ柔らかですぐに崩れてしまいそうだった
「もう誰も犠牲にしたくない。イサム、封印を説いてリアとアカリと子供達はそこへ。俺とアマンはここに残っていざというときは戦うよ。」
封印された『龍慧音』(リュケイオン)、リアとアカリが力を注げばミィスリルの側までは飛べるだろう
「あんた達だけで戦わせはしない。ソウジもテツノスケも俺らは最後まで戦う。」
ソーダが最後に持ってきた情報は恐ろしいものだった
異世界から持ち出された兵器を『ダビデ』に打ち込む計画をしているという
決行は『アポネス』と並び闇の歪みが閉じるとき
もう時期は迫っている
シオンのことだ恐らくいらないすてごまの部隊をよこすだろう
下の層の人々は追いつめられている
「あちらが派手にやる気なら俺も暴れてやる。」
パキッ、実が割れて中の白に包まれた紫の実が出てくる
それを口にいれリュウヤはコントロール室に入った
「サヤ、お前もアカリ達のとこに行くんだ。」
後を追おとしたサヤの前で扉は閉じた
イサムに肩を抱かれサヤも部屋を後にした。
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