役にたたない会議
「そうか、東の地域はもうだめか。」
佐之助が顔をしかめる
水色のマントの二人は東の『江戸山岳』の戦士らしい
東は岩山と岩山のくぼみに独自のシェルターを作り住んでいる
「キリュウの攻撃だけではなく地下のマグマの変動で中心地が壊滅してしまいました。また地下爆弾を仕掛けられたら終わりです。女、子どもはこちらに非難することが決定したのですが移動手段がなかなか決まらないのです。」
ジョウと名乗った男性がため息をつく。
「ユーリなんか手段ないの?ヒグレがいれば非難方法は簡単なんだけどな。」
ユーキスが小声で言う。
「大きな魔力を使うのはよくない。この世界だと目立つしね。メタが考えてると思うよ。」
魔力を使えばあしがつく
敵の魔術師にばれたら『白虎』も滅ぼされてしまうだろう。
「北に龍神様が現れたときいた我らの前にもあらわれないかと期待してみな古い龍神の祈りの場所で祈っているよ。俺は南の悲劇をきいて期待してないけどな。」
ジョウの言葉にユーキスがウーンと頭をかく。
やり過ぎたという自覚はあるようだ。
「南の一部でも期待してる者もいる。神の力に期待して祈るだけではたちうち出来ない。」
モーゼの言葉にジョウもうなずく。
「我らは戦士だ。男達は戦うと意志は高いが化学兵器には勝てない。」
魔力を使えば
また魔術の戦争になるだろう
かつてユーリ達の世界がそうだったように……
「戦うしかないか、宇宙空間に逃げようにもねらわれるだけだしな。」
マヤがフーとタバコの煙をはく
「南の地域に最大兵器をやつが発車したことによりまた地形が変わりました。」
地形を観察していた伊井直助の報告にみな息をのむ。
写された映像には巨大な穴に海水が流れ堕ちていた。
「モーゼ様、南の者は無事なのですか?」
「固まってすごしていた町の者は無事じゃ。小さな部落は助かった者もいるがほとんどが巻き込まれた。」
メタトロンの手がパネルの上で震えている
裏切り者のことを考えていたのだろう
「『ピレーネ』も壊滅ですか?」
エルの質問にモーゼはうなずいた
メタトロンの部隊の最後の砦は頑丈な火山の熱にも負けない岩盤で守られていたが壊滅
「あの渦の濁流にのまれて守りが弱かった所から水が流れこんだんだ。俺がかけつけた時は水にのみこまれてた。」
マヤが小声で教えてくれた
「モーゼていうじいさん魔法が使えるのにどうにもならなかったのかな?」
「モーゼ様は住民を守るために力を使い尽くしてしまったんだ。」
ユーキスの問いにマヤがこたえる。
「東は今回の出来ごとより前に壊滅しております。海底都市『オーシャン』でなんとか生きていますが海底に沈んだ火山がいつ爆発してもおかしくないので危険です。我々には小さな潜水艦しかないので非難が間に合うかわかりません。」
ジョウの言葉に会議をしきる政宗がうむとうなづく。
「政宗様、我々が救助に行く許可をください。」
龍馬の言葉にうなづけないのは裏切り者がいるという情報からだろう
「ウム、『真実の門』をくぐってから『白虎』にはいれるというのが条件だ。」
新しい装置を作ったようだ
「わかりました。時間がかかりますが仕方ない。ジョウどの、火山の噴火予定は?」
「まだ一ヶ月はかかると予測ですが、今回の異変でどうなるかは予測がつきません。」
龍馬がパネルをすばやく撃つ今のことを伝えたのだろう。
「マーズならおさえられるよ絶対に彼は…………」
ユーキスの口をふさぐ龍神信仰の話が出ていた
マーズが龍だとばれるのはまずい
「ユーリ先生に今回参加してもらったのは北の異変についての説明をしていただきたいからです。」
ユーリともとから相性の悪い『玄武』部隊のマナブがこちらを向く
「異変はユーリ先生より現地にいた我のほうが…………」
「北の民が龍に導かれて消えたという馬鹿げた噂を君がいえるのかな?」
マナブの嫌みな言葉に察しのいいマヤはすぐにだまった。
「そんな噂どこから出ているのですか?」
その犯人であるユーキスはうつむいた。
目立つ赤毛を頭巾で隠しているのでまわりは気づいていない
「北から来たものが言っている。龍神が民の前に現れ極楽の地へ連れて行ったとな。」
どうやら噂が広がっている
桐孤の口からでた時は北の誰かからの通信かなと気楽に考えたがどうやら広まっているらしい
ここにいるメンバーに魔術の話をしても通じないだろう
「龍神などいません。北の者はみな海岸の洞窟で息をひそめています。龍馬さん救出していただけますか?」
「もう派遣はしているよ。」
流れてきに軍事会議になるとわかったのでユーリは辞退することにした。
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