「ヘルム」会議
ユーキスとマーズの守りが通用するかはわからないが時間稼ぎにはなるだろう。
「あの二人が災いの元ということか。」
ユーリから話をきいたメタトロンが水タバコの煙りをはきだす。
「メタトロン様、恐れながら彼等に罪はないと思います。忍び隊が『ヤマト』で見ていた情報によりますと彼等は言葉すらましに話せない状態だったそうですから。」
ブルーブラックの髪に黒い服の男性はマヤ、メタトロンの戦闘部隊を率いる男だ。
「ふりだったかも知れない。ムーの詮索隊の話だと彼等は我らの同士を殺したと。」
魔術の服従など知らない人間からみた意見としてメタトロンの見方は当たり前だ。
「メタトロン様、これをごらんください。これは『悪魔の種』とよばれる装置です。これを脳内に埋め込まれると操られてしまうのです。」
ユーリが見せた画像を見てメタトロンはうなる。
「キリュウが作り上げた人間に埋め込まれていた装置と同じものだが。ふに落ちないなぜこのムーに来てから発動したのかが。とにかく『ゴールドスリープ』はとくな。マヤ、部隊をこちらの警備と地上でわけろ。」
水タバコの菅を置きメタトロンが命令する。
「ハッ。」
マヤがすぐに早足でさる。
「わかりました。」
いいわけ無用、メタトロンの態度からよみとったユーリはうなずいて部屋をあとにした。
「つまり、俺が留学していた地球の未来がここってことか?」
「たぶんな。」
ユーリが部屋に帰るとユーキスとマーズが話していた。
「今回の襲撃はエイジサンとヒカルさんのせいだとメタは思っているらしい。昔は魔術の研究してとか言ってたからわかってくれるかと思ったけど無駄だった。」
ユーリは堅苦しい服を脱ぐ。
「仕方ないさ、魔術が宇宙に存在してたのは大昔の話しだからな。」
マーズがそういって肩をすくめる。
「コールド状態が長ければ命を落とす。ヒグレと連絡とりたいが敵さんがどうでるかわからないしなあ。オッ、データーが開けた。」
ユーキスがコンピューターの前に行く。
「『ダビデ』のことは詳しいことはわからないが殺人を楽しむ悪の集団とは言い切れる。ついでに言えば例の『サイエンスシティ』のシオンはやつの双子だ。昔やつは大量殺人で一つのシティを滅ぼしたらしい。それにしても彼はよく似ている。」
スリープ状態のエイジの顔をみてマーズがうなる。
「当たり前ですよ。シオンは魂を入れ替えられるんだ。エイジさんは昔のシオンさ。アーリアというのかあいつ、やつも異世界人とだけ分かっていて状態不明か。こいつはきおつけたほうがいい、こいつは魔術師だ。」
ユーキスはハヤトの情報を見る。
「この人達てネプチューンの王家付きの魔術使いだよ。マーズがいるから服従なら解けるかもだけど。」
魔術で攻撃されたらアウトだ。
「とにかく魔術のほうは我々で何とかするしかないだろうな。」
マーズの言葉にユーキスがため息つく。
「とにかく策を練りつつヒグレと連絡をとらないと。」
武力となればユーキスはお手上げだ。
ガラス張りの建物は暗闇のなかで光っている。
まわりには朽ち果てたビルがそびえている。
「いつみても2層あたりは不気味だな。」
マーズが顔をしかめる。
浄化をしてるといっても空気はよどんでいる。
「『サイエンスシティ』とよく似ている。俺は地上にいってくる。」
ユーキスが廃虚の中に消えていく。
「サラマンダー様、お待ちしておりました。」
兵士が向かえ中に入る。中は緑にみちている。
「これはすごい。時間があれば観察したいものだ。」
マーズが小鳥も遊ぶ空間に感心する。
「我々の目的の一つは地球に緑をよみがえらせることなのです。いずれは動物達もすめるレベルにしたいものです。」
緑の中にエレベータがあり地下へ行く。
エレベータを降りると木の扉がある、ここは『ピース』を初めとする反組式の本部である。
「久しぶりだなここに集まるのわ。」
結成当時は広い部屋を埋めるぐらい代表者はいたが今は半数に減ってしまった。
「サラマンダー様、あなたがおこしになられるとはめずらしい。」
白衣の男性が近寄ってくる。
「私がいた地域が攻撃されたんでね。ヒロフミ殿そなたのとこは影響受けなかったか?」
「我々は予測はしていたから海底都市に大半は移動していたからな。救出はできるかぎりしたが。南はほぼ全滅だ。私とエルしかここにたどり着いていない。」
金髪に透けるような肌の美しい男性は、仕切りに通信機を気にしている。
「サラマンダー、ぶじだったか。モーゼ様は生きてるいる者の救出に急がしくてこれないので俺が代理さ。」
浅黒いはだに髪を左右に束ね派手なマントの男性はアシュラ、ユーリも面識のあるモーゼの重臣だ。
「ユーリ医師、久しぶりだな。前回の戦いの時は世話になった。」
頭を下げられユーリも返す。
ユーキスがみたらおどろくだろう。
ユーリは兄弟の中ではどちらかというと落ちこぼれで父であるネオス王の悩みのたねだったのだ。
「たまたま、薬草との相性が良かっただけですよ。『アルル地域』でまた戦いでもあったのですか?」
「戦いどころじゃない我々の地域にあのいまいましい殺人器がとんでもない爆弾を打ち込んできたんですよ。」
大変だ、会議が終わり次第、モーゼのもとへいかなくては。
「みなさま席にお着きください。メタトロン様がおみえになりました。」
メタトロンの奥方、キラの言葉にみんな席につく。
「遅くなってすまなかった。みなこれを見てもらいたい。」
メタトロンがうつした画像をみてみな息をのむ。
南の方角に大きな渦巻きが出来ている。
「海の水がすべてこの渦に吸い込まれているその影響で『ムー大陸』も南部はのまれた。そして北を中心に新たなる大陸が出来た。しかしここに我々が知らない敵の手の者が責めてきた。」
巨大な銀色に輝く人工的なものが写し出される。
「なんだこれは?」
みながおどろくなかマーズだけが冷静に見つめていた。
「サラマンダー、ユーリ、君達はこれの正体を知っているのか?」
「この話をしてみなが信じるかはわからないが、これは異世界の艦隊です。」
メタトロンの目がけわしくなる。
「異世界だと?」
「はい、そこでは我々の技術では出来ないほど技術が発達しているのです。私がここに来たのは敵の正体とキリュウがついに『キマイラ』を完成させてしまったという事実を告げるためです。」
頭を抱えるもの祈りの言葉をのべるものさまざまだ。
「ついに完成してしまったのか状況は忍び隊が探っているがまたやつが打つ前に止めなくては、アシュラ、モーゼ様に戦えないものは最終避難場所に戦えないものの集結、戦えるものはここへとすぐに伝言をたのむ。」
海底都市が破滅していれば全滅の可能性がたかい。
「伝説の龍神が現れたと来たの者から通信が入りました。私は北の者の救出に向かいます。」
エルも立ち上がる、ユーリとマーズだけが残る。
「ユーリ、君は災いがこれ以上ふえないようにしていただきたい。私も速急でみなを移動させねばもはやここも安全ではなかろう。」
メタトロンの信頼を失ったようだ。
「我々は我々の出来ることをしよう。用がすんだらまた戻ってくる。ユーリいざとなれば魔力で戦うんだ君は父上から戦いの教育も受けているはずだ。」
マーズがささやく。
ユーリは力なくうなずいた。
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