◽ アカリ、反発
アカリはリアに肩を抱かれている少女を見つめていた。
まだ幼さの残る少女はどこかしらジークと似ている。
ソーダたらこんな小娘連れてきてどうするのよ。 この子が私達と同じ力があるとか?
イライラとリラの固い殻をたたくがそれて器から実がこぼれた。
「アカリ、イライラするのはわかるけど今は冷静になって。」
リアが溜息まじりで言う。
少女は怯えた目でアカリを見つめる。
「地上でなにか起きたらしい。お前はリオじゃないか。」
救出者の検査やらでアマンとテツは手が離せずイヤイヤ、伝言をしにきたジークが少女を見ておどろく。
「あの流れ者が連れて来たってきいたけどあんたの知合い?」
「あんたは知らないかも知れないが、俺はあの狂ったやろうが滅ぼしたシティの生残りだ。このリアは『癒しの手』、あんたなんかよりもよっぽど優しい力をもつ一族の一人だよ。」
アカリの言い方にカチンときたジークが嫌みを含めていう
「じゃあ私の変わりを出来るのね。流れ者にきいても私達の一族以外はコンピューターを操れる技術師はいないときいたけど。」
パシッ、リラの実をわる
赤紫の汁がちる
「リアのことは後にして重大な知らせだ。イサム達がリュウヤさんの救出に成功した。まだ意識が戻らないらしい。王女さまがくつろいでる間、こっちはおおいそがしさ。リオ、俺とこいリュウヤさんがうわごとで言ってたリオてたぶんお前のことだろ?」
リオが目を大きく開く………
「あんたは他にやることある。治療なんて繊細のことはあんたは無理だろうしな。」
動こうとしたアカリはジークににらまれムッとした顔でイスに座る
「リアさんだいじょうぶ、リオは怯えてるだけだから。」
ジークが優しくリオの手をとる
リアはサヤの髪をなでる。
それが余計にアカリを苛立たせる
ジークがサヤとでていき扉が閉まる。
「なんなのあの異人、二人ともよ。」
アカリは爆発させた後に考えこむ
ずっと一族の力が強い者として拝められるように育ったアカリは外の人間を受け付けないとこがある魔術師達の中にも研修者の中でもアカリを良く思わない者もいる。
地下の力ある者がけっ託しなくてはならない大事な時期に仲間割れは良くないというアマンの意見でリアは力を注ぐより人を集め話し合うのを中心に動いている
「妊娠してくれてある意味良かった。俺をはじめとする多数はあの女の下につくぐらいなら危険を承知でこのシティから出ていくというのが結論だ。」
魔術師の幹部といえるアールグレイがそういって葉巻の煙をはきだす。
「アールグレイ様には感謝してます。『風の民』、トウヤサンのお話しだと『ゴッド』の動きが変わったようです。」
リアの言葉にざわめきがおこる。
「いよいよ決戦ですか?」
「いえ、むしろ逆です。密かに私達を監視していたシステムがすべて爆発したと言うことです。見張りやくのサノスケさんが私達の監視を『ゴッド』はあきらめたのではと言っていました。」
リアの言葉にみんなざわめく。
ビーとリアの腕の通信器がなりジークから極秘の情報がはいる。
[アッサム様がお帰りなられた。会議の終わり次第『恵の滝』まで来てほしい。リオはリュウヤさんの病室にいる。詳しいことはまた後で。]
アッサムが帰った?
シオンの魔の手から逃げたのかしら?
アカリがまた暴走しないか心配だけどそっちを気にしてる場合じゃなさそうね。
「アッサム様はわれわれが協力すると思っておられるようだが。俺を含めた数人はリュウヤさんの意識が戻らなければ完璧に決別する。」
アールグレイがそういってマントをひるがえし出ていき何人かはつづいた。
「内部割れはまずいですね。この際、あのもの達は抜きで移動は考えたほうがよろしいかと僕はおもいますが。」
ずっと書記を静かにつとめていたソウジがリアに言う。
「まんがいち戦いになったらアールグレイさんの力は必要になるわ。」
『コア』にいる者の多数は戦いを知らない、いざとなれば戦闘経験のあるアールグレイ達の力が必要になる。
リュウヤ、目覚めてくれなければ地下は内部分裂してしまうわ。
医療室でまだ目覚めないリュウヤならアカリもしたがう。
これでは科学者に『コア』のシステムを相談するどころではない。
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