宇宙空間 地球
青い美しい星の面影は今はない
人類は欲望にかられ環境破壊を続けた
地球温暖化はすすみ北極はもはやかつての姿はなく一部に氷を残すだけとなり南極は奇妙な植物がしげる島になってしまった
多くの国が海に呑まれ豊かな大地をとり合い人々は戦争を続けた。
放射能とウィルスで大気は大地は汚染されていき人々はドームと呼ばれるガラスで囲まれた場所と地下で暮らしていた。
ヒカルとエイジが目覚めるとカプセルは水に浮かんでいた
時空の歪みでディスが用意した空間に二人はたどり着かなかったのだ。
二人をのせたカプセルはやがて木々がしげる島に打上られた。
地球にはもう残り少ない自然でおおわれた場所で小さな一族が住んでいた
彼らは昔の彼らの国の名前を使い『ヤマト』と呼んでいた。
『ヤマト』を率いる『武蔵』の娘、奈帆は貝を取るために潜っていた
貝を集め浮き上がった時に奇妙な漂流物を見つけた
何だろう?
「奈帆!何だこれは?」
漁に出ていた奈帆の夫、トシも気づいて船をよせた
「ムーから流れて来たのかしら?」
「コラッ触るな、とにかく昴に報告しよう。」
『ムー大陸』の人々が使う貨物用のカプセルに似ている。
「何らかの事故でカプセルが流れただけだと思うけど。人よ人が乗っているわ。」
奈帆がトシが投げたロープを巻き付ける
危険物ではないと判断したからだ。
「オーイ、トシ、あれここにもあったか何だろう?」
漁の仲間のヒロが船をよせる
「人が乗っているの、もしかしたら逃げてきた人が海で遭難したのかも、とにかく海岸に運びましょう。」
2つのカプセルは、岸にあげられた。
「一回ここに流れついて夕べの嵐でまた沖にながされたんだな。」
浜辺に落ちていた銀色の残骸を手にとりヒロがつぶやく
「作りのもろいカプセルだ僕が造る船のほうがじょうぶだよ。」
カプセルがいきなり開き三人はとびあがって近くの茂みに逃げ込んだ。
エイジもヒカルも言葉がわからない
激しい揺れが止まり人の声がしたのでカプセルをひらいたのだ
空は青く広がり白い雲が広がっている初めてみる太陽と空に二人は顔をしかめた
足もとの水を口に含むと塩辛くてはきだした
「あっあのう。喉が乾いているんですか?これをどうぞ。」
木で出来た水が入った容器を少女が差し出す
「ありがとう。」
言葉が出てきた
「お前は用心しないにも程があるぞ。」
男性の声で前に視線をうつすと槍を持った男性二人を後ろに従え、白い布を腰で絞めた上着に藍色のゆったりしたズボンの男性がこちらにきた。
エイジの隣にヒカルがきた。
「『ムー大陸』からきたのか?」
先ほどの少女を後ろに下がらせ用心しながら男性が言う。
「『トリオシティ』」
言葉がうまくでなくてそれだけしか言えなかった。
「名前は何て言う?」
「エイジ」
「ヒカル」
二人の容貌を見て武器を持っていないのをみて昴は敵ではないと判断した。
「逃げてきたんだな、ひどいめにあったんだろうに、君達に敵意がなければ我々の一族とともに暮らせばいい。奈帆、お前は用心しないとさらわれるぞ。」
少女はもう知らんぷりして自分が集めた貝を取りに行っていた。
「まったく寿命がちぢまるよ。」
ブツブツいいながら船の魚を網から引き出し始めたトシをみてヒロは肩をすくめる。
「お前らは……トシお前ものんきすぎだ。」
ヒカルとエイジが顔を見合せブッと吹き出す
「失礼、我々の住む所に案内しよう。ヒロお前も仕事に戻っていいぞ、昼飯どきだ他も戻ってくるだろう。」
『ヤマト』に向かえいれられた二人は与えられた使命を思い出すことなく。
自然とともに寄りそう人々と打ちとけていき言葉も思い出した。
手先が器用で覚えの早いヒカルは狩をする者達に尊敬された。
優しく、もの造りがすぐに身についたエイジはトシ、ヒロとともに漁をしながら船を造った。
緑がしげる島で二人は課せられた使命を思い出すこともアーリアの術にもさらされることなく過ごしていた。
ヒカルは『武蔵』の昴と同じ氏の娘と婚儀をし、昴を支えるようになった。
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