不幸な魂
こんなはずではなかった
こんなことを望んでいなかった
目の前には腕を翼に変えられた少女、金属の武器に変えられた少年
みんな、暗い瞳をしている……
僕はこんなことを望んだんじゃない、こんなことをしたくてここにきたんじゃない。
「ごめんなさい……ごめんなさい。」
狭い銀色の箱に閉じ込められた子供達、箱は地下の暗闇に消えた……そう不要な物、ゴミをすてる暗い闇の中に。
男は放心状態で上にあがるエレベーターに乗った
「なんでこんなことになったんだ?僕は親の無い子供達に愛をあげたかっただけなのに。動物達に昔のような自由をあげたかっただけなのに。」
こぶしで壁を叩き額を叩きつけた
手から額から血を流しながら男は最上階についた
そこは美しい空中庭園だった
男は庭園の端まで行き壁をよじのぼった
そして男は銀色の建物の群れの中に落ちて行った
男の肉体を離れた魂は宇宙空間をさまよっているうちに美しい金色の鳥と出会った
鳳凰……そうか僕は死んだんだ。
長い尾に導かれるように男の魂は黒い渦に呑まれていった。
「成功したようだな。しかし美しくないなあ。」
そんな声がした。
「まだカプセルからはだせません。まだ骨が出来上がっていにいないのです。」
カプセル……何か思い出した気がするが消えてしまった。
目をひらくとブロンドの髪に青い目の白衣を着た美しい男性と見事な銀髪の男性が立っていた。
「本当に魂の召喚なんて出来るんだね。面白い。でもね君は僕のお人形だからね。」
ブロンドの男性が不吉な笑みをたたえながらそういった。
不幸な魂の物語はまたはじまろうとしている。
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