第83話 新たな要塞を築く俺
まず逃げる場所を探すか。ここのヤサは既にバレてるからな。
しかし、全然土地勘が無い所に逃げても厳しいし、今まで作りこんだ畑とかが無くなるのも悔しい。
この家を残しつつ立て篭もる場所を作ればいいのかな。往復にそれほど時間がかからず、防衛に適した場所か……
鉄鉱石をとっている場所に砦を築くか。道も最小限作ってあるけど、人ひとり歩くのが精一杯の崖になっているので大勢の人間では登ってこれない。山腹からちょろちょろと流れている水もある。食料は人形に生産させて運ぶようにすればいいし。備蓄もかなりのモノがあるし。
ただ、家を建てるだけの木材が無い。木を切ったからといって乾かさないとすぐに使えない。
正確には使えるけど、暑い所に生えているからか柔らかすぎる。そして乾くにつれ、曲がったり反ったり割れてしまう。
取り敢えず竹で組んで行くか。
まずは土台作りから。
山なので当然傾斜がある。土台を作らないといけない。
鉄を精錬するときに一緒に混ぜ込んでいる石灰石を粉々にし水を混ぜるとコンクリートぽく固まるのでそれを使う。
石灰石微粉末、鉄鉱石、川砂と水を混ぜ、板で組んだ型枠に流し込む。流し込むときに柱になるように竹を挿しておく。その竹をベースに家状に組んでいく。
精錬の時の石灰石はそれほどないので、家の壁には日干し煉瓦を積んでいく。
屋根は時間がかかるので当面は大きな葉っぱを葺いておく。
中途半端な出来だが、山裾からみると急勾配の細い道の上にそびえ立つ壁のように見え、難攻不落の要塞のような趣きだ。
ここまでで6日は掛かった。
猿飛サスケ人形に街道を偵察させているが動きはないようだ。
……時間稼ぎが効いているのか?
インフルエンザも風邪だし、一週間程度で回復するしな。下痢ピーもすぐに治るだろう。
そろそろ動きがあって然るべきだろう。
拠点も出来てきたし、食料や道具を運びこむだけだ。荷運びは人形にさせておけばいいだろう。
偵察しにいくか。前回はあまりにも無防備に街に進入したので護衛の人形を増やして行くかな。
……アルマ達も街にいるはずだし。
正直、人との触れ合いを再確認したらぼっちが辛くなってきたのは否めない。街には綺麗なお姉さんもいるはずだし。
性よ……いや、この場は18禁じゃないのでそれより先は言ってはダメだ。
3日間の時間を割いて新しい人形制作に日にちを費やし、懲りずに街に行くことにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます