第45話 準備をする俺

 街道に至る道を作ってみることにした。

 正確には街道近くまでの道だが。


 街街道近くまで獣道のようなものを作り、街道まで出る時間を短縮したい。街道に出るところはカモフラージュして道が発見されない、又は発見されても人が通った気配を消しておく。

 街道に出るまで10km6時間。

 なるべく直線で歩けるようにし俺が道を示し、樵人形を出動させ、藪を拓き、枝を打つ。

 出来た道にはドクダミの種を撒いておく。ドクダミが生えてくれば道を見失う危険性も少なくなるし、虫除け、蛇除けになる。雑草で繁殖力も旺盛なので短期間で増えていくだろう。


 道から少し入ったところに緊急時のシェルターと薪、保存食を置いておく。

 シェルターと言っても、立木に倒木を寄りかからせて、倒木の下側になった枝を打ち大きな葉っぱで簡単に葺いただけの代物。立木の枝が肋骨のようになっているので葺くのが簡単。

 保存食は茹でて干した燕麦を木からぶら下げておく。いつまで持つか分からないがないよりマシな程度。



 長期探索用に荷運び用の人形? も作ることにした。

 ? がついているのは人型ではないためだ。

 4つ足で牛だか馬だかトラックだかの形をしている。人形ではないので俺の祝福【傀儡師】パペットマスターが発動しないかとも考えたが難なく動く。


 名づけて汎用牛型人形【ドナドナ】。


 ……俺にネーミングセンスを期待されても困るな。


 スピードはそれほど速くはない。速度より走破性を重視しているためだ。最高時速で俺が軽く走るぐらいか。

 荷台は箱状になっているので多少の雨が降っても問題ない。収容量は1㎥程度あまり多くしても動きが悪くなる。

 

 ドナドナに食料、矢、調理器具、着替え等々必需品。あと人とコミュニケーションがとれた時用の商品として革と塩、砂糖を少量。お金を持ってないし、見たこともないからね。

 

 エバには修繕や不具合の調整。そして弓矢と剣の装備と今回は盾を用意した。文字通り俺の盾。接近戦で戦力になるとはあまり思えないし。

 

 こうして前回の探索から2ヶ月間準備を施し、改めて探索の旅に旅立つ。

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