第42話 帰る俺
翌朝、日の出とともに行動を開始する。
廃村を一回りしたが、使えそうなものを探すがあれから新たな収穫はない。
畑も全て掘り起こされていて目に見える範囲では持って帰れそうなものはない。
村の外周部を歩いている時に気付いた。
複数人が森の奥に歩いて行った形跡を発見した。それほど新しい跡ではない。村を貫通する街道から垂直に北にのびている。
野生化した俺じゃないとなかなか気付かないレベルだが、人の背丈ぐらいまで枝が折れていたり、鉈で切られたり、そしてなにか引きずったような跡がある。それが、森の奥まで続いている。
この奥に何かがあるのか?
この廃村の生活道かなにかだったのか?
非常に気になるが食料もあまり無いし、鍋類などの荷物も増えていて行動に適さない。
残念だが、今回はあきらめるとするか。
◆ ◆ ◆ ◆
家への帰り道。注意しながら街道を歩いたが、特段何かとすれ違うようなことは無かった。
途中で前回見つけた金床を拾って日も落ちた頃に家へ戻った。
3日ぶりとはいえ、家につくと緊張の糸が切れて途端に眠くなる。
碌に食べてもいないし、風呂に入ってゆっくりしたいとも思ったが睡眠欲求には勝てずにその日は寝た。
一人での行動はキツイ。エバがいることにより監視等では楽になったが、荷物の持ち運びが辛い。
3日以上だと麦を挽いた状態だとカビてきてしまうので、表皮付きで持ち運ばなければならない。故に嵩張る。
俺のカビは
荷物を持って行動できる重量は20kg程度じゃないだろうか。道具類が殆ど自作で洗練されていないので重く嵩張る。
エバにも持たせることができるが汎用人型人形とは言え、それ用に作っていないので運搬用の人形を作る必要があるだろう。
暫くは人形制作と携帯食作成に時間を割くべきか。
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