第30話 マタギな俺
狩りについて考える。
主に狩っているのは鹿。
まれに牛。
猪等の攻撃的な奴らは狙わない。
自分の身が一番大事。怪我=死に直結しかねないからね。
弓は和弓みたいな長い弓。
ジャングルっぽいこの山の中では取り回しづらいけど、短弓だと射程や威力が弱いのでかなり近づかないといけない。だけど近づくと気付かれちゃうので使えない。
本当は色々作ってみたいけど。
ほら、弦が俺の髪の毛じゃん?
禿になると嫌じゃん?
……誰にも会わないけどさ。
鳥もたまに取れる。
雉みたいな結構大型の鳥。
この前唐揚げにして食ってみたら最高。ちなみに油は牛脂つまりヘット。
地鶏の唐揚げより肉が締まっている感じだけど肉汁じゅわ~ってな感じよ。
醤油はもちろん塩もないけどさ。
この前木の上に猿だかリスだかの動物がいたのよ。
動きがのんびりしているから弓で狙っておとしたんだけど、デカイ山猫と豹のあいのこみたいな奴が音もなく忍び寄ってきてその獲物をさらっていったのよ。
チクショ~と思ってそっと後をついてってみたら、その山猫死んでやんの。
目がクリクリとした猿を食ったら中毒起こして死んだみたい。
食いかけの猿と苦しんだような顔の山猫。
同時にゲット。こんな故事成語無かったっけ?
でもこの猿は毒を持ってるかもしれないのでパス。
山猫だけ皮をはいで使ってる。
この皮は尻皮に使ってる。
尻皮って知ってるか?
マタギが腰に巻いているヤツ。座布団代わりでクッションになるし、水も通さない。待ち伏せや休憩のときに大変役に立つ。
ついでに狩りする時には前腕と下腿に牛の皮革のプロテクター。これは野生動物や蛇等が噛みつく可能性が高いところを保護している。
あとは、身体前面の大事なところをところどころ鹿の皮革で保護している。レザーアーマーみたいな感じ。
背中はほとんど保護していない。なにせ暑い。蒸れ蒸れする。
でも、肌の露出はなるべく抑えている。そこから毒虫などが入ってくるし。そで口はギュッと紐で縛ってる。この紐は蛇皮で出来ている。
蛇皮って案外しなやかで粘りが合って使いやすい。肉もうまい。小骨が多いけどね。……いや蛇の種類にもよるか。この前捕まえたどぎつい色の蛇は生臭くって食えなかった。
問題になってくるのは服。
3着は持ってたんだけど、酷使してるし、この暑さ。すでのボロボロで臭い。
新調したいけれど、布が作れない。
持っている服は麻でできているけど、麻を殆どみたことがない。
どの草が麻なんだろうか……。
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