第19話耕す俺

 畑について考えてみよう。

 1年半で2haまで広がった。


 まずはじゃが芋。俺の主食。これがなかったら今頃俺が土の肥やしになっていたはず。

 畑の大部分をじゃが芋を育てている。育成も容易で短期間で収穫できるためだ。


 次は麦。畑の4分の1面を育てている。しかし麦は麦でも燕麦で、まあ一言で表すと不味い。

 収穫したものを蒸かして押し麦にするとオートミールになるのだが、砂糖も牛乳もないのでそのまま口に入れる。ボソボソし口の中の水分を急激に吸い取られる。水で押し流す。

 まあ、麦粥みたいなものでもいいのだが。でも、どちらにしろ味付けはないので美味しくはない。

 栄養満点のようなので文句は言えないがどうせならパンが食いたい。

 文系出身の俺は理系農系の頭脳を持っていないので全て試行錯誤しながらだ。

 春に燕麦をまいてみても収穫量が少ない。秋にまいて春に収穫するもののようだ。


 そして大豆。ここの土にあっているのか、わんさか成る。青い時期に収穫し茹でる。そう枝豆。ただ塩はなし。厳密に言うと枝豆とは種類が違うのかもしれないが。

 ただ、害虫が多い。これに引き寄せられるようにゾウムシがあちこち顔を突っ込んで収穫物をダメにしていく。


 ゾウムシの最大の被害者がアブラナ。

 探索に出ている時にアブラナに似た花が自生していたのを採取し植えてみた。もちろん種をだよ。

 野生種なので強いのかどんどん繁殖していく。花が咲く前に摘んでゆがいて食べるのもまた良し。但し、不味い。青臭い。調理の腕はもちろん道具や調味料などは一切ないからな。

 ゾウムシはこの花や実をアブラナを食べてしまう。

 アブラナは大豆、麦、じゃが芋などの花と雑交配してしまうのか、近くに植えると奇形種ができやすい。

 なぜアブラナかって?そりゃ名前の通り油菜ってなもんで、油目的ですよ。唐揚げですよ。澱粉はじゃが芋からできるからね。



 そういえば前に山登りした時に牛っぽい動物がいたんだけどあそこの高原を木柵で囲っちゃったんだよね。大量に木材が必要だったけど。そこはほら。俺には人形がいるからね。

 で、かなり広い範囲をしっかりとした柵で囲ってそこに牛を追い込んだんだよ。結構、ポコポコ子供を産むんだよね。で、生えている草だけだと餌が足りなそうなので、油の絞り粕や大豆、燕麦なんかの飼料として与え育てているつもりになっている。


 この前初めてその牛を絞めて食べてみたんだ。

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