うそ好き

 自分だけが大好きな若者は

 うそがうそみたいに大好きで

 みんなに調子のいいうそ大バーゲン


 うそをうそだと気付かずに

 ほいほい人は付いてきた

 うそみたいに沢山付いて来た


 本当はうそだって気付いた人も

 この先どこまで行けるか知りたくて

 うそのお祭り一緒になって騒いでた


 うそでも本当でもどうでもいい人たちは

 ただ外から楽しんで見ているばかり

 酒の肴にいいものさと言う人も居て


 若者は訳知り顔で得意そう

 あんまり自信たっぷりなものだから

 少しぐらいの奇妙さは計算なのかと映ってた


 少し調子に乗り過ぎて

 大事に仕舞っていたうそ袋

 ぽろぽろうそがこぼれてく


 どんどんうそは流れ出し

 いつしか小川になりまして

 そして大河になりまして

 やがて海まで埋め尽くし


 それでも若者うそが好きなものだから

 僕うそついてませんなんてうそを付くのです

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