エーテルの森

 神を讃えるうたが聴こえる

 どこか遠くで

 深い霧の彼方 誰も知らない森で


 星を渡る船で漕ぎ出せば

 銀河の荒々しい波飛沫

 時間のゆらぎが蝕んでいく


 白い白いベールに包まれて

 どこまでも夜の続く季節

 異形の者は静かに牙を研いでいる


 耳の奥に残る微かな記憶

 しっぽの生えていた頃

 翼をはばたかせていた頃


 血塗られた昨日

 忘れてしまいたい過ち

 だけど今こうして生きている


 遠く遠く神を称えるうた

 白く透き通り染み込んで

 もう誰も見ていない

 誰の耳にも届かない


 小さな泉の小さな波紋

 湧きいずるは新たな希望?

 それとも最後の情け?


 もう木霊も返らない

 霧が全てを隠していく

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