未来への展望と過去の観測
@Motegi
未来への展望と過去の観測
どこで見た光景だろうか。青い、青い空。黄色いセイタカアワダチソウをかき分けて、果てしない農道を走っている。
シャボン玉のように、いくつもの輝いていた過去が飛び交っている。
それらは私の駆け抜ける風に煽られて割れ、また私の目の前に生まれては永遠に続く風景を彩る。
弾けたモノは―過去
生まれるモノは―未来
過ぎ行くモノは―現在
それは悪夢なのか、良い夢なのか。それすらも分からなくて。
ただがむしゃらに、前へ前へと進まなければならないという意思のみが、足を止めることを許さない。時の定めという大きな流れが、留まることを許さなくて―
青、黄、茶、そして虹色。いつまでも眺めていたい、色彩に溢れた幻想は、それと同じくらい憂鬱な悪夢だった。
手足に絡みついては流れ去る水の如くに生々しいリアリティがあって、かつガラスのランプのように儚く崩れやすい幻想。何故それはこんなにも美しいのか。
ガラスは現世と常夜の狭間にある、存在の不確かなモノ。
地から取った砂で、天の如き透明な光を紡ぎ出すことへ、神聖なものを見るからであろうか。神から与えられた火で、それを為す人の叡智への畏怖であろうか。
見たいものはたくさんある。そして過ぎ去った過去にも、たくさんあった。その価値に気づく前に、それらは過ぎ去ってしまう。例え気づいたとしても、足を止めて眺める時間はない。
そうした一貫した道程が、一振りの刀のような直ぐな素直さと、玉鋼のような鋭さを持つとき、私ははじめて、私になれるだろう。
未来への展望と過去の観測 @Motegi
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