親友






今朝、要ちゃんに久しぶりに遊ぼってLINEして今よく2人でケーキ食べに行ってたカフェで要ちゃんを待ってる。

この前要ちゃんを見たけど話すのはほんとに久しぶり。


「紗希、お待たせ」

「ううん、いいの」

顔に出てないかな、不自然じゃないかな。


「実は...私紗希に言いたいことがあって」

「あたしも、要ちゃんに言うことあるの」

「私...、優希と.....」


要ちゃんが言いにくそうに下を向くけど真っ直ぐにあたしを見つめる。

「優希と...、わ、私、優希が好きなの...」

「知ってた」

うん、優希があたしに本気で要ちゃんのことが好きなことを伝えられて要ちゃんが優希と買い物してるのを見た時、わかっちゃったんだ。あの時の要ちゃんはすごく幸せそうだった。悔しいけどあたしは要ちゃんをあんなに幸せそうにしてる顔にすることは出来なかったから。

「私が言いたいのは...それだけ」

「じゃあ今度はあたしの番」


和真に勇気づけてもらったから言える。

これで終わる。終われる。

あたしの親友で初恋の人、これでやっと勇気がなかった自分を大嫌いだと恨むのも終わる。

「要ちゃん、あたし要ちゃんが好きだった」


「...知ってた!」


「知ってたよ、紗希が私のことを好きで、それを私に打ち明けたら親友じゃなくなるって怖がってるのも知ってた」

「うそ...」

知ってたんだ。なんでだろ、涙とまんない。

「...私のこと好きなのに関係壊さないようにしてくれてたんだね」

「うん、...うん」

ちょっと、要ちゃんも泣かないでよ。

「...でも紗希と親友を止めるのは私も嫌だ、だから紗希が嫌じゃなければまた私と親友になって?」

「...嫌なわけないじゃん」


2人で泣きながら笑っておでこをくっつける。

告白は失敗したけどすっごいスッキリしてる。大好きな要ちゃんと一緒にいていいんだ。

「要ちゃんに隠し事はできないね」

「何年親友やってると思ってんの」


あたしは要ちゃんを好きになってよかった。今なら心からそう思える。

「じゃあ要ちゃん、あたし帰るね。また遊ぼ」


要ちゃんを一人残してカフェを出るとよく知っている人物がカフェの前に立っていた。

「...結局邪魔しなかったんだね、優希」

優希が小さく頷く。

「今度はあんたの番だよ」

それだけ言って帰ろうとすると10m先に和真の姿が見えた。


「和真...?」

「おっす...」

お互い歩いて距離が縮まる。

「要ちゃんに言えたよ、こんなあたしでも親友でいてくれるんだって」

おかしいな、嬉しい筈なのになんか和真見たら気が緩んでまた涙出てくる。

「...頑張ったじゃん」

和真に頭をポンポンと撫でられる。

「俺もじゃあ頑張るか...」


頭に乗せられていた手でぐいっと引き寄せられる。



「俺じゃ駄目?」

「いや、今このタイミングってのはちょっと悪いけどとりあえず眼中に入れてくれるだけでもいいから...」

「...和真が勇気づけてくれてなかったらあたし要ちゃんに何も言えなかった」

和真があたしを腕から離す。

「...それって...、どっちだ?」


自分でも気持ち悪いぐらい晴れ晴れとした笑顔で和真の手を握る。

「そういうことだよ」

和真が少し顔を赤くしながら笑ってため息を吐く。

「飯食いに行くか、どうせがっつり食ってねぇんだろ」

「ハンバーグ食べたい、もちろん彼氏サマの奢りのやつ」















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