我慢の限界
「...そっか」
それ以上はとくに何も言わなかった。
しばらくして頼んだケーキが目の前に置かれると笑いはしなかったが少し嬉しそうに見えた。
「なんだ、嬉しそうじゃん」
「うるさいなぁ、て、あんたピザ頼んだの?!」
「あぁ、甘いもんじゃ腹減るしな」
「優希もそうだけどなんで男って太らないのよ...」
先程まで泣いていたのを気にしてんのかまだちょっと意地張ったような話し方だけどケーキを一口食べてから紗希の口元が緩んだ。
「...不思議だね」
「ん?」
「友達とか弟の優希にすらこんな話しできないのに何で会ったばっかりのあんたに喋ったんだろう」
「お前のこと何も知らないからじゃないか?」
「そーだね、あたしも和真のことよく知らないもんね」
紗希がやっと穏やかそうな表情でクスクスと笑う。
「あたしさぁ、男の人には猫かぶるんだけどあんたにはぶりっ子する余裕なかったね」
「あー...、確かに猫かぶってそう」
「うわ、失礼。」
猫被られても本当の性格ってのはわかりにくくなるだけだから俺としてはいいかもな。大体優希みたいに女好きってわけでもないしな。
「なぁ、連絡先教えてくんね?嫌だったらいいけど...」
紗希が迷わずにスマホをいじり、QRコードをだす。
「またなんかあったら相談していいの?」
「だめなら連絡先なんて聞かねぇよ」
紗希と連絡先を交換してしばらく紗希が学校のこととか喋って解散した。
優希に今日のことは報告するつもりもない。多分自分の姉ちゃんのことなら今どんな気持ちでいるのかもわかるだろうし、いつか紗希の方から優希に打ち明けられることができるように。
「明日はどれ使うか...」
「要ちゃん、できれば入浴剤は俺が泊まってる時にしてよ。俺も入浴剤使いたいし」
要ちゃんと今日買ったバスボムをお風呂で試して今は要ちゃんの髪を俺が乾かしてます。
はじめてのバスボムになんだか浮かれて楽しそうな要ちゃん見てたらなんかムラムラしてるのにすら罪悪感を覚えて結局何も出来なかったんです。
「はい、終わったよ」
とりあえず服は来てるけど要ちゃんノーブラでキャミと短いパンツの部屋着だしお風呂上りで余計にいい匂いするからさっきから気になっちゃう。ていうか恥ずかしがり屋のくせに今の部屋着はいいとか...。
やっぱりトイレで抜いてくるかな...。まず要ちゃん好きになる前までは溜まったらヤるっていうぐらいの頻度でやってたから1人でするとかしなかったからなんか虚しい。好きな人の家で抜くってのも気持ち悪い行為だし罪悪感もあるんだよなぁ。
「優希」
「ん?」
「あの...久しぶりにマッサージして...?」
要ちゃんの顔がちょっと赤い。えっと、どっちのやつだろ。
「じゃあ横になって」
要ちゃんがベッドにうつ伏せになる。
「...優希?」
やばい、触れない。なんか触ったらそのままやっちゃう。もし要ちゃんが普通にマッサージしてもらいたいだけだったらこのままやったら嫌だよね。
「...どっちのやつ?」
「.....え、エッチなやつ」
「多分要ちゃんが泣いて嫌がってもやめられないよ...?」
要ちゃんが小さく頷く。
「じゃあ要ちゃん、自分で服脱いで」
要ちゃんが恥ずかしそうに戸惑っている。やばい、スイッチ入っちゃった。
「電気...暗くしていい?」
「だめ」
要ちゃんが顔を赤くしたまま黙っている。
「要ちゃん自分でできないの?小さい子でもできるよ?」
「ち、ちがうもん」
「へぇ...ならできるよね」
やばい、要ちゃんの恥ずかしくて今にも泣き出しそうな顔見たら虐めたくなってきた。
「できなかったらお仕置きだけど...」
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