看病





昨日姉さんに部屋に呼び出された。

はじめて姉さんに反論したけど昨日俺が言ったことは事実だしその言葉が変わるってことはないから後悔はしていません。


今はというと要ちゃんが実は熱を出したみたいで俺は大学が終わってから要ちゃんの家に向かってる途中です。いつも泊まりに行くとご飯作ってくれるから今日は俺が作ろうかなとお粥に入れたい材料、あとミカンとかプリン、スポーツドリンクを買っておきました。


家に着いてインターホンを鳴らすと、小さく返事がしたから入っていくと要ちゃんがふらふらと歩いてくる。

「...あ、優希」

「だめ、はやく横になってて」


要ちゃんの背中を押しながらベッドに座らせる。熱だから当たり前だけど体熱い。

「来るなって言ったのに...」

実は行くって言ったら要ちゃんに反対されましたが無理矢理来ました。心配だからね、それに一緒にいたい。

「はいはい、ご飯作るからちょっと待ってて」

「...優希料理できたのか?」

「失礼だなぁ、ほら、横になっててよ」


こう見えても少しは料理できます。

わざわざ材料まで買ったし要ちゃんを寝かせるとお粥作りをはじめました。


「できたよ」

「...いい匂い」

多分ただのお粥じゃあんまり栄養とれないからササミと卵を入れて中華風にしたからかなりの自信作。


要ちゃんも気に入ってくれたみたいで全部食べてくれた。

「美味しかった...」

「お粗末様です、熱の日ってあんまりお風呂入っちゃだめっていうけど女の子だし...お風呂入ってきなよ」

要ちゃんが下を向く。

「入らないの?」

「い、...一緒に入りたい...かも」


あぁ、なんでこんなお願いするんだよ。可愛いから拒否れないじゃん。俺も一緒に入りたいし!


「じゃあ一緒に入ろうか」

かなり余裕そうに笑ってみせるけど余裕なんかないです。要ちゃんを守るって決めたのにこんなことで盛ったら可哀想だし...。

なんて考えながら1人でせかせかと服を脱ぐと頭とか痛いみたいで要ちゃんがもたもたと少し恥ずかしそうにしながら服を脱いでいる。

...これぐらいならいいよね。


「ほら、後ろ向いて」

要ちゃんを後ろを向かせてブラのホックを外してから下着も脱がせる。

うわぁ、今まで本気で女の子のこと好きになってなかったからわからなかったけどやりたいってやましい思いもありつつなんか罪悪感が。

「あんまり熱上がらないうちにお風呂出ちゃおうか」


というか俺が理性の限界が来る前にはやく...。

さすがに余裕そうに要ちゃんの体を洗うことはできないからはやく上がろうと自分でさっさと体を洗う。

「じゃあ要ちゃん、俺先に出てるから」


要ちゃんの返事を聞く前にさっさと風呂から出て、しばらくすると要ちゃんも出てくる。


「じゃあ要ちゃん、もう寝ようか」

「...優希怒ってる?」

「え?」

「さっきから...目合わせてくれないし、お風呂一緒なのにその、体...洗ってくれなかった...から」

ちょっと恥ずかしそうにしながらなんだか少し寂しそうな顔をされる。

「あぁ、もう!」







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る