我が儘
要ちゃんをギュッと抱きしめる。
「好きな人が具合悪くて辛いのにエロい感情を向ける俺に罪悪感があったの!」
「う...じゃ、じゃあ怒ってない?」
「怒ってる!好きだから前の女の子たちみたいにあんまりやりたくないけどあんまり可愛いこと言うとまたやりたくなるじゃん...」
「.....嫌だったらお風呂一緒に入りたいなんて言わないし...ばか」
抱きしめてるから要ちゃんの顔見えないけどすっごい今可愛い顔してるんだろうな。要ちゃんの唇に唇を重ねて舌を絡めると火照ってるような表情で要ちゃんが俺を見上げる。
「...伝染っちゃうよ」
「伝染ったら要ちゃんに看病してもらうからいいです」
そのままベッドまで抱えてベッドに座らせる。
「もー...、誘い文句まで言われたら俺無理だよ」
「...優希、顔赤い」
「あー、うるさい」
自分でもわかるよ、顔熱いもん。
やば、女の子相手にこんなに照れるの恥ずかしいかも。
そのまま要ちゃんをゆっくりと押し倒す。
「...そのお誘い、乗ってもいいの?」
「...勝手にすれば?」
許可とってキスとか俺らしくないよ、ほんと調子狂う。
「ん...口ん中まで熱いよ」
「はぁ...ふ」
口の中を探るように舌を這わせては要ちゃんの体温が唇から、舌から伝わる。
「んは、はっ...」
酸欠になるくらいまでの長いキスをしてから唇を離すと唾液が互いの口を結ぶように糸を引く。
「やっぱりキスだけにしませんか?...罪悪感が」
「わかった...、今日はここまででいい」
途中で行為を止めるのを萎えたとかじゃなくて俺が要ちゃんを大切だからっていうのを理解したのかぼーっとしたような顔つきだけどやけに満足そう。
「あ、そんなこと言ったから次は立てなくなるぐらいにしちゃうからね?」
「...う、うるさい」
要ちゃんが顔を逸らして俺があげた抱き枕を抱きしめる。
「俺いる時はこっちじゃなくて俺にして、没収」
要ちゃんから抱き枕を奪ってそのまま片腕でかかえながら空いた片腕で要ちゃんを抱き寄せる。
「...今夜ずっとそれ抱いてて」
「なんで?」
要ちゃんが少し恥ずかしそうに目線を逸らす。
「.....優希がいなくても優希の匂いすれば落ち着くから」
うー、こっちまで恥ずかしくなるような事言わないでよ。
「あー、わかったからはやく寝て!」
あ、また俺顔熱い。
見えないように要ちゃんをぐっと自分の胸元に埋めさせる。
「うん...おやすみ」
しばらくしてから要ちゃんが寝息をたてはじめる。
昨日姉さんと口論になったことを思い出す。要ちゃんのことを親友として女の子としても好きだと姉さんが言ったらどうなるんだろう。要ちゃんは姉さんと今までみたいに親友でいられないのかな、それとも要ちゃんも姉さんのことを好きなのかな。
もし姉さんのことを恋愛対象として好きなら俺は要ちゃんを諦めなきゃいけないのかな。もし姉さんに気持ちを伝えられて嫌に思ったらどうなっちゃうんだろ。
そう考えるとすごく怖い。
でも要ちゃんやな寂しい思いをさせない自信はあるよ。
要ちゃんのことを好きってわかってから要ちゃんのことばっか考えてるし、この人のためならプライドなんてどうでもいいなんて思える。それに何より要ちゃんが幸せそうにしているのを見ると俺はもっと幸せな気分になれる。
要ちゃんに好きな人ができたら諦めるなんて言ったけど本当はそんなことできない。要ちゃんのために一緒にいるんじゃなくて俺のために今もこうして一緒にいるんだ。
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