『男』として




要ちゃんの家に入ると向い合せで座る。


「...優希、あの」

「ごめんね」

もちろん土下座。かっこ悪いなんてわかってても悪いことをしたら謝らなきゃ。

「要ちゃんが嫌がることしたのに、いざとなったら嫌われたくなくて...それで逃げてごめんなさい」

「優希、顔上げて...。私も、私もごめんなさい」


要ちゃんが泣いて謝る必要ないのに。

こんな状況にいながらも可愛いなんて思う俺はほんとに救いようがないよね。



「...迎えに来てくれて嬉しかった」


それ聞いたら俺、要ちゃんを思わず抱きしめて、何の前触れもなかったからかそのまま要ちゃんを抱きし状態で横になる。

要ちゃんはずるいなぁ、ほんとに振り回されっ放しだ。


「...要ちゃん、俺ね、要ちゃんに嫌われてもいい覚悟で言うね。俺、どうしようもないほど欲に弱くて、今もかなりやばいんだけど...でも要ちゃんが好きなんだ。だから、要ちゃんに優しくて素敵な人ができたら俺は諦めるから...、だから、それまでは俺といてくれないかな」

「.......うん」

「俺のこと、姉さんの弟としてじゃなくて、異性として見て欲しい...です」

「...そう見てなかったら.....キス、とか...しない」


あー、もう。

「要ちゃん、謝ったばっかりで悪いんだけど...今からお風呂行かない?」

「...やっぱりまだ恥ずかしいから先に体だけ洗っていい?」

「体、洗ってあげようと思ったんだけど...だめ?」

「.......いいよ」

えぇ、いいの?


要ちゃんを抱き上げて脱衣場で降ろすと要ちゃん顔を赤くして目を合わせないようにしてる。

「なぁ...自分で脱ぐの恥ずかしいから.....脱がせて」

あ、無自覚の小悪魔発言。あれ、無自覚だと魔性か。

「...要ちゃんほんとずるい」


ワンピースだからすごく脱がしやすい。要ちゃんの下着姿すごい綺麗。

「あ、あんまり見ないでよ...!」

「あのね、これから体洗うんでしょ」

ブラを外してパンツも降ろすと要ちゃん自分から脱がせてって言ったのに1人で浴室に行っちゃった。


とりあえず心の準備をしながら俺も服を脱いで浴室に入ると要ちゃんもう髪を流し始めてた。

浴室に入る音がするとビクッと振り向いて俺のこと見るとばっと目を逸らす。


「昨日だって俺裸だったじゃん」

「でも...昨日は湯船の中見えなかったし...部屋暗かったから」

ていうかすぐ目を逸らしてくれてよかった。もう下余裕ないし。


「さ、先に優希の背中流してやる」

恥ずかしいのかな、なんか意地悪したくなっちゃうよね。

「じゃあ一緒に洗お」











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