発サークル
「前からかっこいいなって...それに優しいから...気になってました、つ、付き合ってください」
大学の放課後、呼び出されて告白されました。
この後要ちゃんを映画サークルに連れていく予定だからはやく決めなきゃ。顔は可愛いかんじ...ちょっと化粧濃いけど。スタイルは華奢だなぁ、あれかな、草食系な感じ。今彼女いないし付き合っちゃうかな、そうすれば要ちゃんと約束の時間守れるし、1週間ぐらいやってないから適当にホテル連れてけそうな子だし。
「...ごめんね」
あれ、俺なんで断ってるんだろ。顔も可愛い方だし...あ、胸無いから?
「ちょっと、行かないでよ...」
えー、引き止めるの?はやく行かないと要ちゃんに怒られちゃう。
「...今は彼女とか、欲しくないなぁ、なんて」
我ながらなんて言い訳だろ。ごめんだけど怒られたくはないけどそのまま逃げて来ちゃった。
「要ちゃん、お待たせ」
「来たばかりだ、...ほんとに大丈夫だろうか」
急いで要ちゃんの所に行くと不安そう。でも2人きりじゃないから表情は人前にいる時の険しい感じ。
「ちょっと、そんなんじゃお友達できないよ、はい、ここ」
いつもサークル活動に使う視聴覚室の扉を開けて自分からは入りにくいだろうから俺から入る。
「おー優希、...そっちの子は?」
「あ、この子は伊東要さん、要ちゃん、この人は田沼圭一さん」
圭一さんは要ちゃんと同じ学年、茶髪でチャラい感じかな。
「...よろしくお願いします」
うわー、要ちゃん警戒しすぎ。
「敬語やめろよ、タメじゃん?」
「...よ、よろしく?」
ていうか圭一さんもチャラすぎ。
「優希、新しい人?」
「あ、はい、伊東要さんです」
教室の奥にいた黒髪のメガネの人は佐々木和真さん、3年生でいわゆる部長みたいな感じ。和真さんにちょいちょいと手招きされる。
「お前伊東さんと知り合いだったわけ?」
「姉さんと仲良くて...、幼なじみみたいな感じですかね」
「やるなぁ、うちの学年でもかなり人気だぜ?」
要ちゃんやっぱりモテるんだ。顔いいしスタイルいいし、性格はあれだけど...。
ていうか今日は人少ないのかな、10人いないくらいしか集まってないみたい。
「あぁ、今日は人集まり悪いからみんな課題とかやってたり自由だから伊東さんもちょうどいいんじゃないか?」
ふと要ちゃんを見てみるとうわぁ、圭一さんにめっちゃ絡まれてる。明らか困ってるじゃん。
「要ちゃん、バイトもうすぐなんでしょ?」
今日はこの後ないだろうけど逃げる口述だ、要ちゃん気が付いて。
「あ、...うん」
あ、気が付いたみたい。
「俺もバイトだからもう行こっか、じゃあお疲れ様です」
「おーお疲れ様」
圭一さんは物足りなさそうな顔してるけど和真さんは気が付いてるみたいでヒラヒラ手を振ってくれた。
「...お疲れ様」
要ちゃんも無愛想にではあるけど挨拶して教室を出た。
「...女の子いなかった」
無事圭一さんの絡みから逃げてこの前約束した通り要ちゃんのお家にいます。要ちゃんが作った夕飯をご馳走になってからサークルのことについて聞いてみたらこんな感想でした。
「女の子は3割くらいしかいないからなぁ、また行けば会えるよ」
よっぽど緊張したのかな、要ちゃん不機嫌そう。
「...わかった」
でもまた行ってくれるみたいでなんか安心した。
「それより明日も朝早くではないけど学校だから、先に風呂入って来い」
「ん、俺は後でいいよ」
音鳴らさないようにしてたけど電話さっきから鳴ってるんだよね、相手が誰からかはまぁわかるけど。
「わかった、私が出たら湯船冷めないうちに早く入れよ」
要ちゃんがお風呂に行ったのを見てから俺は電話をかける。
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