憂い
「...き、優希」
あ、結局寝れたんだ俺。
要ちゃんはもう部屋着じゃないしなんかいい匂いがする。
「ご飯炊けたから食べるぞ」
「ん...」
俺朝はご飯食べない派なんだけどなぁ、そんなことより昨日俺よく我慢したよね。
椅子に座るともう味噌汁と卵焼きが並べられていて要ちゃんがご飯をよそってくれました。
「いただきます」
そう言えば要ちゃんお父さんは帰りが遅いからって小さい時からよく家事してたから器用なんだね。家の姉さんは絶対料理できないし。
「私昼からバイトあるからあんまりダラダラ支度するなよ」
あ、そうか、今日はもうお泊まりの約束してないからね。
「要ちゃん、明日バイトある?」
「ないけど」
「...じゃあ学校終わったらまた来ていい?」
我慢するのは辛いけど、要ちゃん昔からお父さんの帰りが遅くて寂しかったのかなって思ったらなんか放っておけないや。
「...別に、いいけど」
いつもみたいに素直じゃない返事になんだか安心しちゃう。
「ただいま」
優希が彼女の家から帰ってきた。この遊び人め、いつか恨まれて刺されるんじゃないの?
「今度の彼女さんといちゃいちゃできた?」
ギャルかな、清楚かな。
「...うーん、何もしなかったよ」
優希が何もしなかったってことは余程のブス?いや、なら付き合う時点で断るか。
「優希が手出さないって珍しいね」
「確かにね、なんでしなかったんだろ」
いつもならちゃんとすることしてきて楽しそうに帰ってくるのになんか表情浮かないし、よっぽど今の彼女と性格合わないのかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます