第1話

キーンコーンカーンコーン)


ある日の放課後、チャイムが鳴り終わり

教室を出て、僕は部活へと向かっていた


冬…寒くて凍えそうになる…僕の一番嫌いな季節

茶華道部に入ってから学校は楽しいが

この季節はどうも足が進まない…

でも、それでも僕が休まずに来る理由がある…


「パス!」


「ナイスゴール!」


放課後、茶華道部の休憩時間に体育館へ立ち寄りバスケットボール部を見ること

これが最近の日課であり

休まない理由である。


2年生の佐々木 優くん

同い年の少し茶髪がかった髪色

身長は低めだけどバスケットボールはとても上手くて

いつでも部の中心に彼は居る…

笑顔で彼は周りをも輝かせる


「僕の…好きな人…」


好きになったのは1年生の夏頃…

茶華道部に入っていなかった僕は

部活に入りたいと思い、色んな部活へ見学に行った

その時、大会が近くて練習に励む先輩達をサポートしながら練習する優くんの姿に

僕はなぜだかとても惹かれた


声をかけたことは無い

もちろん、話をしたこともない

彼は僕のことを知らない

……知られたいと思ったこともない


僕の秘密の恋だから、誰にも知られてはいけないと思っている

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