第17話 ー千客万来の章 9- 等身大の恋
祭りは5日目に突入していた。
とある机の男たちなどは
「くっ、俺のなにがいけないんだ」
「胸がでかくて、きれいでかわいくて、それで家事全般ができる女性と、お付き合いしたいだけなのに!」
「俺も年下の女の娘で、胸はひかえめ、メガネをかけていて、一人称は僕。そんな娘とお付き合いしたいだけなのに!」
「立てば
こいつら、だめそうだなー。そんなやつらを横目に、
初日にいっしょの机にいた、
「
「んー、ぼんっ、きゅっ、ぷりっがなかなかねえ。そっちこそは?」
「おれっちのほうは、浪人って言うと、女性がそそくさと逃げ出していっちゃって」
あれ、でもと
「
「そうなんすけど、正式仕官は、
「内定もらってんだし、浪人、言わなくていいじゃん?」
「素の姿の俺っちを見て、女性には判断してもらいたいんすよ。織田家に幹部候補で内定もらってるなんて言ったら、目の色変わって、つきまとわれちゃいますもん」
「あー、わかる。俺もその点、大変。2日目、うっかり、俺は偉いんだぞーって言ったら、女性陣10人に囲まれて、えらい目みた」
女性陣は、軍事についてはよくわからないけど、なんだか偉い人にはまちがいない。隣の机からも女性が集まり、
しかし、
「このひと、ただのセクハラ親父じゃねえさの?」
「ほんとうに偉いかも疑わしいだ」
「んだんだ。織田家の武将の方がたといえば、知的でかっこよくて、
「不思議な呪文を唱えて、踊り出すようなやつが、偉いわけねえべさ!」
さっと
その
「あー、俺っちを等身大で見てくれる女性はいないすかねー」
「いたら今頃、この席に座り続けてねえよ」
それもそうすか、と
「ん…。
「なっちゃん、そんなこと言っちゃだめよお」
「ん…。今日は、梅ちゃんとここで、いっしょにご飯食べることにした」
「ねー、なっちゃん。みんなと食べるご飯はおいしいからねえ」
「ん…。そうだよね」
「よっし、なっちゃん!さっそく、お料理とりにいこ!はやくはやく!」
「ん…。待って、梅ちゃん」
「幼馴染の妻って、いいすね、特に響きが。おれっちも幼馴染ほしいわあ」
「でも嫁の尻に敷かれるのは、みっともないぜ。やっぱり家庭は亭主関白じゃないとな」
「亭主関白、あこがれすわ。女は男の3歩、後をついてこいってなもんでさ」
などと彼女もいない独身ふたりがわいわいやっていると、そこに18前後のすこし幼さを残した女性が近づいてきて
「
1日目に
「だいたい、亭主関白なんていまどき、はやらないとおもいます。どこの平安貴族なんです?
「
「余計なお世話だと思います。せっかく、
なんかしれっとひどいことを言われた気がする。まあ、それは置いといてだ。
「で、
「もしかして、
一瞬にして
「いえいえいえいえいえ、ちょっと
「いや、だって、心配してあれから4日も相手も選ばずきたんだろ?そんなの惚れた相手がいるか、お目にかなう相手がいなかったのかのひとつか、ふたつかだろうし」
「で、でも、
何言ってるんだろ、この娘
「
あらあ、なんかまずいこと言っちまったなあ、と
「あれ、
「は、はい!好いてないかと思いますです」
「残念だなあ。おれっち、
え、と
「
え、えと
「
もはや、
「もう一度、聞くすけど、
うんと2回、大きく
「か、
うええんと泣き出した
食料調達を終え、席にもどってきた
「ん…。
「そうですよ、
「泣きやんでほしかったら、ちゅぅして?」
とせがみ始めた。
「あ、ほれ!くーちーすい!くーちーすい!」
「
「あ、ほれ!くーちーすい!くーちーすい!」
「うっほん!
「はーい。嫁の尻にしかれるやつ、またまた1名さま、ごあんなーい」
と、半ばやけくそ気味に言い放つ。祝杯がわりに湯呑の酒をぐいっと飲み干す
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