第13話 ー千客万来の章 5- 攻めるも退くも滝川
「ん…。猿から買った、【大胸筋が応える内政のしくみby
「ええ、さすがは名が高い、細川さま。筋肉は礼にはじまり、礼に終わるは名言です」
「ん…。猿に、ほかにもおすすめの本があったら、聞いてみよう」
「はい。わたしももっと、内政について勉強したいでござる」
猿こと
「ん…。軍の統率指揮関連の本も持ってないかな」
「拙僧、指揮関連はさっぱりでござる」
「ん…。もしもの場合がある。最低限のことは知っておくべき」
「ほう。ちなみに最低限の一例はなんでござる?」
「ん…。やばいと思ったら逃げること」
「しっかり胸にきざんでおくでござる」
握り飯、替えの下着、路銀、宿泊費、猿から買った写本、そして
「よう、おまえら、今から出るとこか?」
「ん…。佐久間さま。こんにちわ」
「佐久間さま、こんにちわ。どうしたのですか?そろそろ向かわないと、遅れてしまいますぞ」
「何やら、遠方より
「おっす、お兄さんがた達、こんにちわ」
浪人風のがっしりした体格の男が挨拶をしてきた。
「
男は聞きもしないのに、しゃべりだした
「どうも、長屋の建築にでかけてて、城にはいないって言われてさ。どうしたもんかと思案してたとこ」
「確かに、益重殿は、ただいま留守にしている。急ぎの用件のようだし、使いを出しておこうか?」
「あー、でも開催まで時間ないしなー。うーん。ねえ、お兄さんがた。
さらに男は続ける
「俺っち、北伊勢の出身で、津島の道に詳しくなくてさー。できれば一緒について行っていい?
「確かに
「きみ、なにか、
「ああ、それなら、この家紋の入った懐剣があるぜ。これを
男は、ふところから懐剣を差し出し、
「よし、30分ほど待たれよ。使いの者を飛ばす。それで身分証明できれば、俺が500文かしてやる。ちなみにきみの名は?」
「おお、お兄さん、ありがとう!俺っちの名は、
それから30分ほど、
「
「んー。うちの
「へー、
「うらやましい?こっちは振り回されて大変だよ」
「俺っち、3男坊なんだけどさ。運よく、
一益は両手を宙に投げ出し
「クビにはなるわ、まとまりかけた縁組も破談になるわでさ。3男坊だから、もう、お先真っ暗。夜盗にでもなろうかと思ってたら、立て看板、張ってた、
ふむふむと、
「で、織田家に仕事と、嫁さんをさがしにきたわけと」
「そうそう、そのとおり。
「
「織田家は、お給金でるらしいじゃないの。なら、がんばっちゃう」
「起床後、朝いちばんに20キログラムの米俵かついで、5キロマラソンだけど、いける?」
えっ、と驚きの顔を隠せない
「そのあと、槍、鉄砲の訓練。夏ならさらに、水練つき。ただし、朝、昼の
んんーっと
「お、お給金はいくら出るのかな?」
「一兵卒なら、月に2貫(=20万円)だ。足軽組頭になると、月5貫。城主になれば年収2000貫だって夢じゃない」
「うへえ。お、織田家はすごいなぁ。お、俺っち、がんばる!」
「おっし、じゃあ、ちょっと待ってろよ。すぐにでも推薦状を書いてやる」
「よお、お待たせ。これが推薦状だ、失くすなよ。それと、
「
そうこうしてる間に、ちょうど、
「お、いいところに戻ってきたな。ふむふむ、ははぁなるほど、なるほど」
「
「やったぜ。
そうかそうかと、
「じゃあ、俺も準備して津島に向かうが、
「お、いいの?
この男の人柄がなせる技なのか、すっかり二人は、うち溶け合っている。じゃあと、
「30分ほど時間をくれないか?ささっと済ませてくるわ」
「はいよ。
そう言い、
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