第11話 ー千客万来の章 3- 内政は筋肉だ
次は開催時期だ。おふれと準備の期間を考えると
「く、9月中旬の、稲の、か、刈り入れが終わったあとがよろしいか、と」
「お、織田家では兵農分離が、す、進んでいるものの、
秀吉は続ける
「ちょ、町民ならともかく、農家の場合なら時間があるのは、の、農閑期の時期だけですし、あ、あと、あまり開催時期を遅らせると、
「そうですねー。準備に手間取りすぎて、冬になれば交通の便も悪くなりますし、かといって、早すぎても、他国は稲刈りですか」
「うっほん!準備に関しては、自分たちに任せてもらうのじゃ!」
「兵士300名、女たち300名、その他で計700名。宿の手配、会場の手配など2週間で取り仕切ってみせるのじゃ!」
さすがは織田家きっての名役人。こういう内政ごとなら、うってこいである。
「わ、わたしも、お、お手伝いさせてく、ください!」
秀吉がすかさず挙手をした
「こ、後学のために、ぜひ、ご、ご同行させてください!」
「うっほん!その意気や、よし。しっかり、わたしの手腕、見て盗むのじゃ!」
「会場や宿の手配は、これで安心ですね。
ははっと
「あなたは
長屋とはいまでいう、平屋建てのアパートみたいなものである。
「この
「なるほど、まさか、
「でも、まだまだ足りませんからね。とりあえずの2千増築です」
信長はつづける
「それと
「ん…。それ、必要なの?」
「はい。
現状、脳みそ筋肉が
「ガハハ!それほど難しく考えることはないでもうす。筋肉が自然と応えてくれるでもうす」
脳みそ筋肉は、こう見えて、開墾、建築、城の修繕をこなしてしまう。数字を扱うのは苦手だが、こと、力が関連することはそつなくこなすから、筋肉はおそろしい。
「筋肉ってすごいなー」
「ん…。わかった。挑戦してみる。
「あい、わかり申した。しっかり鍛えてみせましょうぞ」
「こ、困ったことが、あ、ありましたら、【大胸筋が応える内政のしくみby
猿が商機とばかりに写本を売り込んでいる
「ん…。一冊、買おうかな」
「毎度、あ、ありがとうございます!
「高名な
「お、お買い上げ、ありがとうござま、す!」
なんか着実と若い衆にも筋肉汚染がすすんでるなーと、思いつつも口に出したら巻き込まれるので、
「あ、言い忘れてましたが、
と、信長はいう。さらに
「のぶもりもり、あなたもですよ。もういい加減、結婚しなさい」
「えー、そういわれても、俺、面食いだからさー。あと、ぼん、きゅっ、ぷりっじゃないとー」
「童貞こじらせすぎて、脳みそ筋肉以下になったんですね、かわいそうに。先生の不注意でした」
「ちがいますー。童貞じゃありませんー」
実際、
「おや、女性にはもてなさそうですが、意外と遊んでるんですね」
「ま、まあ、お、お金で解決?」
きょどきょどしながら、
「あなた、遊女でもいいから側室にするなりって、あっ、正室いませんでした、先生、失言です」
「うおい。泣くぞ、泣いちゃうぞ?わりと本気で泣いちゃうぞ!」
「ガハハ!
筋肉がどこかしらから引っ張ってきた一般論めいたことをいう。信長は悪ノリし
「確かに、いい人ですね。ほんといい人どまりで終わりそうな感じ、ぷんぷんします」
「うっせええええ。なら、見せてやるよ。本気になった俺の力ってやつをさ!」
「のぶもりもりって、なんか、遊女に言われたことを本気に思ってそうな人ですよね。まだまだ若いとか、会話が上手いとか、大きいとか」
「うきょええええ!よっし、わかった、そこまで言うなら、
ほうと、信長は思案した。これは面白いことになってきました。しばらくして
「では、のぶもりもりが
信長はさらに続ける
「もし、彼女ができなかったら、結婚相手を先生が指名するということでいいですか?」
「うっし、決まりだ。あとで後悔すんなよ、
熱くなっている
「うっほん。では、開催時期でござるが、稲刈りが終わり、各地で祭りが執り行われる時期の9月中旬ごろ行うのじゃ」
「
ではと、信長が受ける
「良縁成立して、
「なるほど。産めよ増やせよとは、まさにこのこと。さすがは
「うっほん。
信長は、えっ、と応える。そして、ごほんと咳払いをし
「ははは、当然じゃないですか、やだなーもう」
「ん…。そんなわけがない」
ははは、はははと、信長は笑い続けていた。
緊急会合から2時間後、
【ひとつ、
【ひとつ、開催場所は、
【ひとつ、開催時期は、9月14日~21日の1週間である】
【参加費用は男は500文(=5万円)、女は
「子細は追って連絡するので、町の立て札等を見逃さぬように。以上であるのじゃ!」
うおおおおと兵士たちが雄たけびをあげる。デモの首領、
「俺たちにも春がくる、やったー!」
「時期的に秋だけどな!」
「お、おれ、生きててよかった!」
一部の兵士たちは、両ひざを地面につき、両腕を宙に放り投げ、涙している。
胴上げを終えた兵士たちは、
「我ら兵士一同、一層の忠心を持って、織田家に仕えます!」
雨降って地固まるとは、まさにこのことかと
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