第1話
|LHRが終わって一人の男子が俺のもとにやってきた。
「よお、自己紹介でオタク公言するとかさすがだなお前」
こいつは中学からの友達で現時点で唯一の友達の
「なんでお前すでにそんなに友達がいるんだよ。俺なんか現時点で話せるのお前だけだぞ。ほんとお前の友達作りの速さには尊敬するぜ。」
「今の時代、入学式前にSNSで友達作っとくのとか常識だろ?てっきりお前もそうしてるもんだと思ってたぜ。」
集の一言に俺は驚きを隠せず
「俺は始まる前からすでに出遅れていたというのか!時代はすでに変わっていたというのか。そういう大切なことはもっと早く教えてくれよな。おかげで冷たい目で見られたじゃないか」
そんな、冗談半分で言い、集も笑顔で
「まずお前はアイコンが2次元の時点で冷たい目で見られるのは確定していたから変わらねぇよ。」
まじか、その時点ですでに俺は失敗していたのか。俺は軽く絶望を覚えた。
「まったく、この社会はオタクに寛容じゃねぇなぁ。」俺は小声でつぶやいたつもりだったがどうやら集に聞こえていたらしく
「まぁな、てかお前中学の時はオタク同士で友達いたし何とかなると思うぜ。ところでお前部活とかはどうするんだ?」まぁ、ある程度予期していた質問だ。
「まだ迷ってるけど、たぶん入らないと思う。中学の時から安定の帰宅部だしな。俺にはそっちの方が馬があう。」俺は中学校から帰宅部だ。正確には部活には入っていたものの完璧な幽霊部員で帰宅部状態だったのだ。
「そうか、まぁお前なんでも続かないもんな。俺の興味は3か月とか言ってたしな。そんなやつがよく進学校に受かったよな。」その通りだ。なんでも続かずにやめてしまうのが俺だ。そして言っておくがこの高校は進学校だ。超難関国公立に生徒の半分は進学する。しかし、そんな進学校に傍から見れば全然勉強してない俺が合格してしまったのだ。
「俺は天才なんだよ。人より知識の吸収効率がいいんだ。」俺は冗談で言った。しかし完全な間違いではないと思っている。自慢ではないが俺は自分のことを賢いと思っている。
しかし、集はそんなことは気に留めず
「そろそろ帰ろうぜ。」と言い、俺も
「OK、帰ろうか。」そう言って、失敗だらけの俺の学園生活1日目は幕を閉じた。
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