1/28 『あなたの心の隙間、』
☆★☆★
マキンリア:赤茶髪の快活な少女。元気いっぱい。食いしん坊。あだ名は『マッキー』。
チーちゃん:チワワ。上半分は黒い体毛で下半分はベージュ色の体毛。勝ち気な女の子。
プーミン:シンガプーラ。セピア色の短毛。甘えん坊の女の子。
セリーナ:ボルゾイ。純白の体毛。頼れるお姉さん。
セーネルの街:中世ヨーロッパ風の石造りの街。近辺に幾つかの狩場を抱え、そこで稼ごうとする冒険者で溢れている。狩りの帰りに冒険者達が飲食店を求めるので、街には飲食店がいっぱい。食べ歩きには困らない。
☆★☆★
冒険から帰ってきた春太とマキンリアは今日も新たな食事処を開拓。
賑わう店内で二人はテーブルに向かい合って座る。
注文を済ませ、品物が運ばれてくるまでの時間はお喋りの時間となっていた。
「さあシュンたん、あたし達のトークショーの時間がやってきたよ」
楽しそうに言うマキンリアに、春太はラジオ収録みたいだなと思った。
「ああ、今日もこの時がやってきたか」
「シュンたん、今日はブックマークが微増だったよ」
「今日はあまり動きが無かったな」
「そういう日もあるさ! それに、続けて読んでくれてる人もいるしね」
「そうだね。もう折り返しは過ぎたから物語は後半戦に入ってきたな」
「なんかシュンたんのペット達ばっかり活躍してズルくない?」
「いや、だってそういう話だし」
「え、そうだったの?!」
「題名通りだよ、そこはブレないから安心して」
「シュンたん、作者が夕飯でバランス良いご飯を食べたいんだけどなかなかそういう店が無いんだってぼやいてたよ」
「外食だとなかなか無いんじゃないかな」
「セーネルでは夜でも普通に定食食べれる所いっぱいあるけど、シュンたんの世界には無いの?」
「あんまり無いみたいだよ。父さんから聞いたんだけど、昼は飲み屋が昼の部と称して定食を出している店がいっぱいあるんだけど、そういう店は夜は飲み屋になっちゃうみたい」
「へ~昼間は飲み屋だけど飲み屋じゃないの?」
「昼間っから飲む人ってそんなにいないからね」
「冒険者の大人達も昼間からお酒飲んでる人はそんないないなあ」
「そりゃ昼間は狩りに行ってるんだろうし。でもその昼間から飲んでる僅かな冒険者達って夜狩りに行くの? 夜はモンスターが凶暴化してるとかいうことは無い?」
「夜はモンスターが美少女化してるよ」
「ええっ?! それじゃ狩りの意味が変わっちゃう!」
「そんなわけないじゃん。あたし達の話には年齢制限もついてないんだから」
「そっか……そうだよな。健全な話だもんな」
「夜は単純に見えにくいからさ、照明持っていけるとか、その代わりとなる魔法が使える人がいるパーティーじゃないと厳しいんだよね。でも人が少ないからその分稼げるんだってさ」
「人のいないところに入っていくってのは隙間産業的な考え方だな」
「隙間産業かあ……あ、あたし隙間産業思いついたよ! 『あなたの心の隙間、お埋めします』って何でも相談に乗るの!」
「悪意は無いんだろうけど完全にそのセリフはアウトだぞ。しかも古いから分からない人もいるはずだ」
「じゃあ分からない人は検索だね。あ、注文が来たみたいだよ」
「続きはwebで、みたいなノリだな。じゃあまた明日!」
二人のもとにほこほこの筑前煮(セーネルでは単にごった煮と呼んでいる)が運ばれてきた。
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