1/27 『異世界にまで出店してた?!』

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 風乗春太かぜのりしゅんた:ペット愛に溢れる少年。ムダにカッコつけたがる。犬か猫と結婚したい。あだ名は『シュンたん』。


 マキンリア:赤茶髪の快活な少女。元気いっぱい。食いしん坊。あだ名は『マッキー』。


 チーちゃん:チワワ。上半分は黒い体毛で下半分はベージュ色の体毛。勝ち気な女の子。


 プーミン:シンガプーラ。セピア色の短毛。甘えん坊の女の子。


 セリーナ:ボルゾイ。純白の体毛。頼れるお姉さん。


 セーネルの街:中世ヨーロッパ風の石造りの街。近辺に幾つかの狩場を抱え、そこで稼ごうとする冒険者で溢れている。狩りの帰りに冒険者達が飲食店を求めるので、街には飲食店がいっぱい。食べ歩きには困らない。


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 冒険から帰ってきた春太とマキンリアは今日も新たな食事処を開拓。

 賑わう店内で二人はテーブルに向かい合って座る。

 注文を済ませ、品物が運ばれてくるまでの時間はお喋りの時間となっていた。

「さあシュンたん、あたし達のトークショーの時間がやってきたよ」

 楽しそうに言うマキンリアに、春太はラジオ収録みたいだなと思った。

「ああ、今日もこの時がやってきたか」


「シュンたん、今日はブックマークがちょいちょい増えてたよ~!」

「じわじわとだけど読んでくれる人が増えてるね」

「しかもこのトークショーにも評価ついたんだよ!」

「マジか! こっちはオマケなんだけど」

「意外とこういうのもいいのかもよ~」

「こっちのトークショーはまあ、純粋に楽しみを提供するのが目的だからね。楽しんでもらえたなら願ったり叶ったりだ」



「シュンたん、お肉の焼き加減はいつもどうしてるの?」

「ウェルダンだよ」

「へ~珍しいね」

「でしょ。レストランで初めて『焼き加減を選択して下さい』という文言を見た時、親に説明してくれってせがむじゃん。そーしたらうちの親、『ミディアムは普通、ウェルダンはプロの料理人、レアは着ぐるみを着たバイトが焼く』って説明したんだ。したらウェルダン選ぶしかないじゃん?」

「シュンたんすっかり騙されちゃったんだねえ」

「小3の時だからね。それからはなんか変えられなくなっちゃった。マッキーはどうなの?」

「あたしはローテーションしてるよ。種類があると全部制覇したくなるんだ」

「へーそうしたらマッキーが俺の世界に来たらラーメンの固さとかも全部制覇しそうだね。硬めとかバリカタとかハリガネとかあるんだよ」

「こっちの世界にもあるよ、ラーメン屋」

「えっ……あるの?」

「あるある。ジローってお店」

「ジロー異世界にまで出店してた?!」

「なんかねぇー見よう見まねでやってみたんだって」

「それパクリじゃないか。せめてのれん分けしてもらえよ」

「でも興味湧くでしょ?」

「うん。怖いもの見たさってゆーかね」

「じゃ~次回行ってみようよ。あ、注文来たみたいだよ」

「今日はここまでだね。じゃ、また明日!」


二人のもとにカリカリッと揚げたてのチキン南蛮が運ばれてきた。

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