1/24 『料理したら爆発』

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 風乗春太かぜのりしゅんた:ペット愛に溢れる少年。ムダにカッコつけたがる。犬か猫と結婚したい。あだ名は『シュンたん』。


 マキンリア:赤茶髪の快活な少女。元気いっぱい。食いしん坊。あだ名は『マッキー』。


 チーちゃん:チワワ。上半分は黒い体毛で下半分はベージュ色の体毛。勝ち気な女の子。


 プーミン:シンガプーラ。セピア色の短毛。甘えん坊の女の子。


 セリーナ:ボルゾイ。純白の体毛。頼れるお姉さん。


 セーネルの街:中世ヨーロッパ風の石造りの街。近辺に幾つかの狩場を抱え、そこで稼ごうとする冒険者で溢れている。狩りの帰りに冒険者達が飲食店を求めるので、街には飲食店がいっぱい。食べ歩きには困らない。


☆★☆★


 冒険から帰ってきた春太とマキンリアは今日も新たな食事処を開拓。

 賑わう店内で二人はテーブルに向かい合って座る。

 注文を済ませ、品物が運ばれてくるまでの時間はお喋りの時間となっていた。

「さあシュンたん、あたし達のトークショーの時間がやってきたよ」

 楽しそうに言うマキンリアに、春太はラジオ収録みたいだなと思った。

「ああ、今日もこの時がやってきたか」


「シュンたん、今日はアクセス数が徐々に伸びてきたよ」

「カクヨムとなろうで数十倍の差があるみたいだけど……」

「それはさ、気にしたら負けだよ」

「だな、比較してもしょうがない……と思っておこう」



「シュンたんは自炊したことある?」

「無いよ。マッキーは?」

「フッ愚問だね。あたしは食べ専門だから」

「作者は何年か前までしていたらしいよ」

「へ~偉いじゃん」

「やめちゃったからあんま偉くないかもしれないけどね。レパートリーが全然ないんだって」

「クッキング本とか買わなかったの?」

「うん。買ってきた野菜を切って、フライパンに入れて炒めるだけ。焼き肉のたれを入れて炒めれば味のついた状態で出来上がる。でもある日失敗して、炒める時間が長くなったらたれが蒸発して味が殆どしないものが出来上がってしまったらしいよ」

「料理ベタなんだね」

「そういうのってやる気ある人がやらないとうまくいかないんだろうな」

「きっとあたしが料理したら爆発するな~」

「ないない。そんなの漫画の中だけだよ。現実に爆発させたら火事でしょ、火事」

「できるかもしれないじゃん!」

「漫画に対抗意識燃やすなよ」

「漫画は敵だよ。特に料理漫画は。あたしに見せつけるようにおいしそーに食べおってー……!」

「間食の代わりにそれ見て我慢するとかは駄目なの?」

「シュンたん、現実と虚構の区別はつけようよ」

「その虚構に対抗意識燃やしてたマッキーが言うかね」

「シュンたん落ち着いて。話を整理しよう。あたしが生まれたのは14年前で」

「え、そこから?! 君の人生全部整理してたら時間かかりすぎない?」

「実況中継したら14年くらいかかると思う」

「それが終わる頃には俺達もういい大人になってると思うんだ」

「それくらいの時間があったら世界の名物を制覇した方がいいね。あ、注文が来たよ。今日はこの辺で終わろうか」

「そうだね。また明日!」


二人のもとに衣がまだフワフワの出来立てメンチカツが運ばれてきた。

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