1/23 『それ今話す必要あんの?!』

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 風乗春太かぜのりしゅんた:ペット愛に溢れる少年。ムダにカッコつけたがる。犬か猫と結婚したい。あだ名は『シュンたん』。


 マキンリア:赤茶髪の快活な少女。元気いっぱい。食いしん坊。あだ名は『マッキー』。


 チーちゃん:チワワ。上半分は黒い体毛で下半分はベージュ色の体毛。勝ち気な女の子。


 プーミン:シンガプーラ。セピア色の短毛。甘えん坊の女の子。


 セリーナ:ボルゾイ。純白の体毛。頼れるお姉さん。


 セーネルの街:中世ヨーロッパ風の石造りの街。近辺に幾つかの狩場を抱え、そこで稼ごうとする冒険者で溢れている。狩りの帰りに冒険者達が飲食店を求めるので、街には飲食店がいっぱい。食べ歩きには困らない。


☆★☆★


 冒険から帰ってきた春太とマキンリアは今日も新たな食事処を開拓。

 賑わう店内で二人はテーブルに向かい合って座る。

 注文を済ませ、品物が運ばれてくるまでの時間はお喋りの時間となっていた。

「さあシュンたん、あたし達のトークショーの時間がやってきたよ」

 楽しそうに言うマキンリアに、春太はラジオ収録みたいだなと思った。

「ああ、今日もこの時がやってきたか」


「シュンたん、さっき見てみたら作品のフォローが若干ついてたよ」

「へ~それは良かった。まだ始まったばかりだからとりあえずキープって感じでつけてくれてるのかね」

「そだね。でも今後はもっと好きになると思うよ!」

「そうなることを期待しとこう」


「ねえシュンたん、シュンたんの好きなものって何?」

「犬と猫かな」

「ふーん……犬食するんだ?」

「しないよ。食べ物のこと訊いてたの?」

「それ以外に何があるのさ。じゃあ猫食の方?」

「だからしないよ。というか猫食なんて聞いたことないし」

「したらシュンたんが第一人者だね」

「だからしないって。俺がどれだけペットを愛してると思ってるの」

「可愛いペットは口に入れても痛くないっていうじゃない」

「それ目でしょ。しかも他にも間違ってるよ」

「本当に目に入るの?」

「入る入る。ねーチーちゃん?」

「シュンたんの目よりチーちゃんの方がデカく見えるけど」

「普通のトーンで言われても困るんだけど。しかしチーちゃんの目、おっきいね。俺の目とどっちが大きいかな~?」

「目玉にはDHAが豊富に含まれてて食べると良いんだってね」

「それ今話す必要あんの?! チーちゃんと俺が怯えるんだけど」

「何でも食の話に繋げるのがあたしの特技だからね」

「まったくやれやれだぜ。チーちゃんはこんな食い意地の張った女になっちゃだめだよ」

「でもチーちゃんってシュンたんのペットの中では一番ガツガツ食べてるよね。チーちゃんをあたしと同じサイズにしたら多分あたしより食べてると思うよ」

「…………あ、注文が来たようだよ。今日はここまでにしようか」

「にひひ、チーちゃんも同類だね。じゃあまた明日!」


二人のもとに温かい肉じゃがが運ばれてきた。

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